芝生を育てるためにはある程度の日当たりがある庭は必要です。一般的に、芝生が生育するためには一日に5時間以上の日当たりは必要と言われておりますし確かに日当たりが良いに越したことはないんですが、必ずしも5時間以上なければ芝生を育てることができないというわけではありません。私の経験では3~4時間以上あれば何とか芝生は育てられます。
我が家の庭はこれまで日差しが当たり過ぎているくらいに日当たりが良く、朝から夕方までずっと日が当たっている状態でした。あわせて風通しも良かったので、芝を育ているのには絶好の場所でした。しかし、隣の空き地に家が建ってしまったため、劇的に日当たりが悪くなってしまいました。夏でも一日の日照時間が4時間あるかないかという環境に一変してしまいました。これまでとは一転して芝生を育てるのに不向きな環境に真っ逆さまです。ただ、庭の日当たりが良くないとしても芝生を育てることをあきらめる必要はありません。日陰が多い庭なりの手入れをしっかりすれば芝生は育てることができます!
日当たり3~4時間の芝生
ということで、本日は私が実践している「日陰がちな庭でも上手に芝生を育てるポイント」を5つご紹介していきます。難しいことはなく、実はどれもカンタンにできることなのでご安心くださいね。
❶芝の丈を長めに維持
まず最初にご紹介する大事なポイントは芝の葉を長めにするということ。
理由は「光合成をできるだけたくさんするため」です。芝生というと短くキレイに刈りこまれた姿を想像すると思いますが、日当たりが悪い庭では少し芝の葉の丈を長めにしておきましょう。もし芝を刈り込み過ぎて芝の葉が短くなってしまうとその分だけ太陽を浴びる量が少なくなります。ということは、その分だけ光合成ができなくなるということなので、刈り込み過ぎずやや長めに維持することを心がけましょう。どうしても短めに刈り込みたいのであればまずは長めを維持して光合成をしっかりさせて、しっかり成長してから短めに刈るようにしてください。
刈り高は2㎝~3㎝を目安に
日当たりが悪い庭で芝生を育てる場合、芝の葉の丈は2㎝~3㎝くらいがいいでしょう。つまり、芝刈り機の刈り高設定を2㎝とか3㎝に設定して芝を刈る、というコトです。
それ以上長くしておくと今度は芝が伸びすぎになってしまい見栄えが一気に悪くなります。見栄えが悪くなるだけでなく、いざ芝刈りをしようと思っても芝自体がペチャっと寝てしまうので芝刈りそのものがうまくいきません。なので、2~3㎝というのがちょうど良い頃合いなのです。3㎝の刈り高設定だとややモフモフした芝生になるので、それがイヤな方は2㎝とか2.5㎝で刈るようにしてください。
❷水やりは午前中に
水やりは夕方ではなく午前中にするようにしましょう。
日当たりが良くない庭で夕方に水やりをすると水が乾きにくいのでずっと芝生が濡れたままになってしまい、病気や害虫が発生するリスクが高ります。芝生が乾きやすいように工夫することが大事ということですね。なお、日当たりの善し悪しに関係なく芝生の水やりは午前中か夕方にするというのが鉄則です。日中や夜間の水やりはまったくおススメできませんのでご注意下さい。
ちなみに私は夕方よりも午前中の水やりをおススメしています。
参考記事:
❸病気の発生を必ず防ぐ!
高温多湿による病気発生を全力で防ぐことも非常に大事です。
日陰がちな庭の芝生ではどうしてもジメジメしがちです。日当たりが良くても梅雨時は特に気をつけなければならないのですが、日当たりが悪い芝生では特に病気の発生には細心の注意を払いましょう。そのためにも殺菌剤を上手に使うことがとても大事!具体的には梅雨時と秋の長雨シーズンに予防投与にはじまり万が一病害が発生したらすぐに殺菌剤を投与して病気の拡大を防ぐこと。日当たりが良い芝生より日陰が多い芝生の方が病害の発生リスクは高くなります。病気を防いで甚大なダメージを被らないこと。これがとても大事な手入れです。
参考記事:
また、病害の発生を防ぐには殺菌剤の有効活用の他にサッチを溜め過ぎないことやエアレーションをすることなども大事です。いずれにしても日当たりが悪い芝生では病気の発生を全力で防ぐ。これが非常に重要なことになってきます。
❹肥料は与えすぎない
日当たりが良くないため光合成があまりできず自分で栄養分をたくさん作れないなら、肥料だけでもたくさんあげよう!というのは完全な間違いです(その気持ちは分かりますが)
芝生に肥料を与えすぎると芝生が弱くなってしまいます。そうなると、これまた病気や害虫が発生するリスクが高まりますし踏みつけにも弱くなってしまいます。また、肥料をあげ過ぎると雑草も繁殖するというデメリットもあります。水やりでも肥料でも過ぎたるは猶及ばざるが如し、です。粒タイプの肥料でも液タイプの肥料でもちゃんと適量を与えることが大切です。高麗芝って心配しているよりずっと丈夫な品種なので、芝の生命力を信じて正しいお手入れをするように心がけましょう!
有機肥料を上手に活用
肥料をあげるときは化成肥料だけでなく有機肥料を上手に活用するのもポイントです。日当たりが悪いと光合成の量が少なく栄養素をたくさん作れないことになります。しかし、化成肥料で光合成による栄養素の合成を補うのも良くない。ならば、有機肥料を使って土壌を改良し芝生が育ちやすい土を作ることで栄養を補うようにしてあげましょう。
有機肥料は小難しいというイメージがあるかもしれませんが、化成肥料よりも使い方はカンタンです。化成肥料は基本的には含まれている窒素の量を把握して、年間にどれくらい肥料を与えるか(=窒素を与えるか)を計算するべきなんですが、有機肥料はそこまで考えずに使っても問題ありません。
なお、有機肥料の中でも特におススメなのは「スーパーグリーンフード」という商品。有機肥料特有の匂いは多少ありますが、土壌を改良することで芝生を元気にする力がしっかりありとても人気の有機肥料です。
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私も毎年愛用しています
参考記事:
❺日陰に強い品種を選ぶ
高麗芝やフェスク類の芝は耐陰性に優れており(=日当たりが悪くても育つ力があるということ)日陰がちなお庭の方はそういった品種を選ぶと良いでしょう。
育てやすさからいうと特に高麗芝がおススメです。
参考記事:
日陰が多い庭でも育てやすい芝生の品種は高麗芝とフェスク類です
「秋や冬の日当たりはいいけど、夏はまったく日が当たらない」というのであれば芝生は育ちにくいと思いますが、春から夏で日中に3~4時間ほど日当たりがあれば芝生に挑戦することは可能ですし、まずは品種を選ぶということも大切ですね。
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参考記事:
以上の手入れをすることで日陰がちな庭でも芝生は育てることが可能です。張り付けて1年~2年は思うように育たないこともあるかもしれませんが、しっかり成長してくると厳しい環境にもなれて上手に栄養分を活用して育てるよう芝生もたくましくなってきます。日当たりが悪い庭だからと言って芝生をあきらめるのではなく、まずは挑戦してみることが非常に大事ですね。