秋になり涼しくなっても芝生の中の害虫はまだまだ活発に動いています。
10月だからと言って普段していると害虫の被害にあってしまい、せっかくの芝生が枯れてしまうことだってあります。10月って芝生の生育はとまりますがまだまだ冬枯れする時期でもないので、芝刈りをする必要もなく、なおかつきれいな緑色を保つことが可能といういちばん有り難い季節です。それなのに芝生にトラブルが起こってしまってせっかくの「10月の芝生」が台無しになってしまうのってメチャクチャもったいないと思いませんか!?
そこで、本日は10月に害虫被害に遭った芝生の写真をご紹介しつつ、そんな害虫を上手に駆除するおすすめの対策をご紹介したいと思います!
害虫被害にあった芝生
10月、芝生が害虫被害にあうとこんな感じになります。
周りは緑色の芝生なのに一部分だけ茶色くなっている所がありますが、そこが害虫に喰われたところです。
スポット的に枯れるだけで済む場合もありますが、その周りの芝の根っこも喰われると枯れている箇所がだんだん広がっていきます。
茶色く枯れている部分が目立ちます。9月末にきれいだった芝生が10月初旬に急に茶色くなったりするのは害虫被害のせいです。
ドアップにするとこんな感じです。枯れ方としてはいろんなパターンがあるので必ずしもこの写真のようにならない時もあります。一例として参考にしていただければと覆います。
もっと寒くなってから茶色くなったのであれば冬枯れという自然現象の可能性もありますが、10月中でこの変色というのは恐らく害虫被害と考えて間違いないでしょう。一般的に芝生が茶色くなると水不足・害虫・病気などが疑われますが、10月であれば水不足で枯れることはありませんので害虫か病気を疑うことになりますが、そんな時はまずは害虫被害を疑うというのが鉄則です。特に秋のような涼しくなってきてそこまで湿度が高くないシーズンであれば病気が起こる可能性も(少なくても我が家では)低いのでますます害虫被害の可能性が高くなるのです。
秋の芝生に潜む害虫は?
秋の芝生を喰い荒らすのはコガネムシの幼虫である可能性が非常に高いです。コガネムシは成虫は6月~9月にかけて活動し、産卵期は7月~9月です。で、10月になると卵からコガネムシの幼虫が出てきて冬に備えて芝の根っこを食べるのです。つまり、10月に芝生が枯れて害虫被害に遭ったのならまずコガネムシの幼虫が犯人だと疑えます。なお、コガネムシの幼虫は芝生の地中5㎝~15㎝くらいに潜んでいることが多く、奥深く張っている芝の根を喰い荒らします。被害がひどくなってくると枯れている芝を軽く上に引っ張り上げるだけでスッポリ抜けてしまうくらい根っこがボロボロになってしまいます。我が家ではそこまでの被害はおこっていませんが、明らかに急な枯れが目立つので害虫、つまりコガネムシの幼虫の被害にあったと断定しました。また、コガネムシの幼虫がいる分かりやすい目印としては「芝生に空く小さな穴」が代表的なものですが、小さな穴が空いていなくてもその下にコガネムシの幼虫が潜んでいることは普通にあります。小さな穴よりも突然の枯れを見逃さない方が大事だと思います。なお、コガネムシの幼虫は地中にもぐっているため芝生に目を凝らしてじっくり見たところで発見することはできません。こうなると殺虫剤を使うのが効果的です。
おすすめ殺虫剤
コガネムシの幼虫を駆除するのにおすすめの殺虫剤は「スミチオン乳剤」です。いろんな殺虫剤が発売されていますが、スミチオン乳剤はコスパもいいですし効果もしっかりあるのでTHE・王道と言ってもいいくらいメジャーな殺虫剤です。
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スミチオン乳剤の使い方
コガネムシの幼虫を駆除する時の使い方ですが、
・発症初期
・1000倍に希釈
・1㎡あたり3Lを散布
・使用回数は年間で6回以内
これを守って使います。「1000倍に希釈」する方法ですが、6L入りのジョウロであれば6Lの水に6mlのスミチオン乳剤を混ぜてやれば1000倍に希釈したことになります。5L入りのジョウロであれば5Lの水+5mlのスミチオン乳剤で1000倍の希釈液ができることになります。それを「発症初期」つまりコガネムシの幼虫の食害に遭ったのを発見してできるだけ早めに1㎡あたり3Lを散布しましょう。繰り返しますが、コガネムシは7月~9月頃に産卵しその卵は1週間ほどで孵化します。そして、コガネムシの幼虫は10月~11月頃にかけて植物や農作物の根などをたくさん食べるのです。なので、コガネムシの幼虫を駆除するのであれば10月~11月にスミチオン乳剤等を散布するのが効果的なのです。
殺虫剤に予防効果なし
なお、殺虫剤に予防効果はありませんので、害虫被害が現れてから使うようにしましょう。殺菌剤であればある程度の予防効果はありますし、我が家は病気が発生しないようにわりと念入りに殺菌剤を散布します。ただ、殺虫剤はあくまでも虫が現れてからしか使っても効果がありませんので、予防的に使っても意味がないのです。少しだけでもいいので毎日芝生を見て、少しでも異常があればすぐに気がつくようにするのがコツですね。そして、異常に気が付けばその原因をできるだけ早く突き止めて対策をうつ。それがきれいな芝生を維持するとてもとても大事なコツです。10月、芝生が急に枯れてきたと思ったらまず害虫被害を疑いましょう。そして、「10月といえばコガネムシの幼虫」とすぐに思いついて殺虫剤を散布して様子を見る。殺虫剤を散布した後に被害が広がらなければそれでヨシ。散布したあともさらに被害が広がるようであれば病気などほかの原因を疑って対策をうつ。そんな手入れを心がけてみましょう。
ミミズの糞も目立ちます
10月になると出てくるのはコガネムシの幼虫だけではありません。ミミズもこの時期に活動が活発になる虫です。10月に入ると急にミミズの糞が目立つようになりました。
ミミズの糞を接写しました。
ミミズは本来は益虫、つまり害を与えるのではなく有益な虫に分類されます。コガネムシの幼虫は芝生を枯らせてしまいますがミミズがいるからといって芝生が枯れることはありません。むしろ地面を耕してくれるのでまさにメリットをもたらしてくれる益虫なんですが、あまりにも糞が多くなりすぎると緑の芝生に黒い点々が目立ちすぎ、さすがに見た目が悪くなってしまいます。多少の糞であれば無視しておけばいいんですが、度を超して我慢の限界を超えるようであれば私はミミズ対策を行うようにしています。
ミミズ対策におすすめ
芝生のミミズ対策にとてもおすすめなのは「天然サポニン粕」です。これは「殺虫剤」には分類されておらず、茶実粕有機100%の「特殊肥料」に分類されます。虫を駆除するのであれば殺虫剤を使うというイメージがありますが、「天然サポニン粕」に含まれている「サポニン」という物質がミミズの粘膜を取り除く作用があり、それを嫌がる地中のミミズが地表に逃げ出してくるという作用です。で、地表に出てきたミミズを回収して駆除するというのが「天然サポニン粕」の使い方・効果です。ミミズの糞の被害が特に増える10月を中心に散布するのがおすすめです。
ミミズの息の根を止めるわけではなく地中に潜んでいるミミズを地表に追い出す作用なので、上記の通り手作業でミミズを捕まえる必要がありそれを嫌がる人にはおすすめはできません。どうしてもミミズをみるのも触るのもムリ!という人は、「天然サポニン粕」の効果で地表に逃げ出してきてモゾモゾしているミミズを鳥が食べてくれるのを待ってみるのもありです。
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天然サポニン粕の使い方
3月~11月にかけて1㎡あたり50gずつを散布するというのが基本の使い方です。この使い方、ミミズを駆除するために使用するというよりも有機肥料として芝生を元気にするために使いつつ、その副次的な作用としてミミズの駆除にも役に立つ、といったところですね。もし、芝生の肥料は別に使っている資材があるならば、天然サポニン粕はミミズ駆除のために使ってもOKです。つまり、ミミズを駆除したいときだけ使う、ということです。ミミズの駆除として散布するのであれば、ミミズの糞塚があるところを中心に1㎡あたり50gの天然サポニン粕を散布し、その後にしっかりたっぷり水をまくととても効果的!面白いように、ときには気持ち悪いくらいにミミズがウニョウニョと這い出してきます。15kg入りの商品もありますが、ミミズの駆除用として使うのであれば5kg入りの商品で十分です。
天然サポニン粕を撒いたのに、思ったよりミミズの姿が見えない・・・という時は、ひょっとしたら人がミミズを見つける前にすでに鳥が食べてくれたのかもしれません。
このような感じで地表に出てきたミミズを回収して一匹ずつ駆除していきましょう。
本来は益虫という扱いのミミズなのでそこまで徹底的に駆除するのも心が痛みます。それでも、糞塚ができてせっかくの芝生が台無しになるようであれば天然サポニン粕などを使って駆除してみましょう。