芝生が育つときに必要な条件の一つに「日当たりの良さ」があります。
生育期、日中の日照時間が5時間以上は必要と一般的には言われています。
実際、日当たりの良い場所と悪い場所では芝の生育に差があるんです。
日当たりの良い場所
3月30日撮影
日当たりの悪い場所
3月30日撮影
上の二つの写真の芝の生育状況の違いは一目瞭然だと思います。
日当たりが悪い庭だと芝が育つか不安
芝も植物だから光合成によって栄養素をつくらなければならないので当然ですね。
ただ、もしあなたの庭の日当たりがあまり良くないとすればどうしますか?芝生に挑戦するのは諦めなければならないのでしょうか?
日当たりが悪いのってどうしようもありません。
日当たりが悪いと芝生がジメジメしやすいので、コケが生えやすいというデメリットだってあります。
参考記事:
日陰がちだと芝が育ちにくいことも事実でしょう。
ただ、
日当たりが悪い庭でも育つ芝の品種はあるのでしょうか?
日陰に強い品種は高麗芝
庭の日当たりが良くないけど芝生のある庭を作りたい!そう思ったあなたが選ぶべき品種は「高麗芝」です。
なぜかというと、高麗芝は
❶耐陰性(日照不足に耐える力が強い)にすぐれている
❷丈夫で育てやすい(だから、高麗芝は日本で一番ポピュラーな品種!)
だからです。
もちろん高麗芝が日陰に強いといっても日光を浴びる必要はあります。4月~10月の生育期は日中の日照時間は5時間以上は欲しいところですね。
ただ、数多くある芝の品種と比べても高麗芝は耐陰性に優れている方ですし、かつ丈夫で育てやすいという特徴も兼ね備えています。
ということで、
庭の日当たりがそこまで良くないけど芝生を育ててみたい!と思った人は迷わず高麗芝を選びましょう。
|
10束ありますが、これでも約9㎡分です
高麗芝がイチバン無難。
これは間違いありません。
ちなみに、高麗芝の兄弟分で姫高麗芝という品種もあります。が、姫高麗芝のほうが管理の手間がかかるので、より楽なのは高麗芝です。
参考記事:
ただし、高麗芝が適しているのは北関東~九州沖縄まで
とはいっても大事な点が一つ。それは、
高麗芝の生育が適しているのは北関東~九州・沖縄ということを覚えておいてください。
つまり、それより北の東北~北海道では日当たりの善し悪しに関係なくそもそも高麗芝を育てるのに向いていないのです。
ただ、東北地方といっても北は青森県から南は福島県まで縦に長いです。また、太平洋側か日本海側かでも日照時間が変わってきます。なので、東北地方では高麗芝はムリ!と一言で片づけることはできません。まぁ東北南部であれば高麗芝を育てることは可能だと思います。
しかし、北海道で高麗芝を育てるのはまずムリだと思ったほうが良いでしょう。
では、東北地方や北海道にお住いの方で、お庭の日当たりが良くない方が選ぶべき芝の品種は何でしょうか?
東北~北海道で生育に適しているのはフェスク類です
東北地方~北海道に住んでいる方で、庭の日当たりが良くないときに選ぶべき芝の品種は「フェスク類」です。
あまり聞きなれない品種かもしれませんが、高麗芝が暖地型芝(あたたかい地方に向いている芝)であるのに対してフェスク類の芝は寒地型芝(涼しい地方に向いている芝)に分類されます。
フェスク類といってこれまたいろいろ種類があるんですが、
中でも特に耐陰性に優れている品種は
「ハードフェスク」
「シープフェスク」
「チューイングフェスク」
「グリーピングレッドフェスク」
です。
日中の日当たりがあまり良くなく、なおかつ東北地方~北海道にお住いであれば上記の品種を選ぶと良いでしょう。
|
神奈川県で日当たりが良くない家に住んでいる友人の話
ここで失敗事例を一つ紹介します。
私の友人で神奈川県に新築の家を建てた芝生仲間がいます。
マイホームを手に入れたと同時に芝生のある庭を作りたいと思ったんですがいかんせん日当たりが悪いとのこと。
春から夏にかけても昼間の日照時間が5時間もないらしいのです。
ただ、憧れのマイホーム。芝生のある庭で子どもと遊びたい。
ペットと芝生で戯れたい。
そう思っていろいろネットで調べているうちにフェスク類の芝が日陰に強いということがわかり「ハードフェスク」の種を買って育ててみたそうですが、うまく育たなかったということです。
なぜ、神奈川県でハードフェスクが育たなかったのか?
おそらく寒地型芝でもあるフェスク類を育てるのには神奈川県では暖かすぎたのです。
その後、その友人は高麗芝に挑戦中です。
フェスク類(寒地型芝)の生育適温は15℃~20℃です。
お住いの地域の気候もよく考えて品種を選ぶようにしてください。
無難なのはやっぱり高麗芝
まぁ、少しくらい日当たりが悪くても高麗芝がいちばん無難なんですよね。
西洋芝って成長が早いので高麗芝よりも手入れの手間がかかります。また、西洋芝は種をまいてそこから育てるのが一般的。
対する高麗芝は束で売られているのを買って敷き詰めていけばOKですし、西洋芝ほどではありませんが日陰にも強いという性質だってあります。
初心者が育てやすいのは間違いなく高麗芝ですし、ニッポンで最もポピュラーなのも高麗芝。
と、いうことで、本日の結論!
北海道以外にお住いの方で庭の日当たりが悪い方は、まずは高麗芝から始めてみる。
で、ダメならフェスク類に挑戦する。
そういう流れがいいと思います。
|
なお、日陰がちだからといって高麗芝やフェスク類を選んでおけばそれでOK!というわけではありません。
コケの発生に気を付ける!
芝は刈り込み過ぎない!
など、日陰な庭で芝生を育てるときの注意点もあります。
詳しくまとめているコチラの記事も参考にしていただければ幸いです。
参考記事: