芝生の冬(12月~2月)のお手入れについてまとめてみました。日本芝(高麗芝、姫高麗芝など)は冬は休眠期間に入るのでどんなに晴れても水やりをしても肥料を撒いても成長はしません。それだけに冬の期間にやるべき芝生のお手入れはめちゃくちゃ楽です。
つまり、冬の芝生の手入れの基本は「放置」です。
水やりは不要
この季節は水やりは不要です。乾燥している地域でも冬の水やりは不要。雨や雪がまったく降らなかったとしても冬季に芝生への水やりは不要です。夏に頑張って水やりをしてきた人にとってはその苦労から解放されてとてもラクチンな季節と感じることでしょう。
逆に、休眠期間中の芝生に水やりをすると根腐れするというリスクがあります。春から秋にかけての芝生シーズンでは基本的に根腐れすることはないんですが、休眠期間である冬の水分過多は根腐れの原因になるので要注意です!もし冬に芝生を張ったのであればカラカラに乾いてしまうのを防ぐために軽く散水するくらいはOKです。冬にどんなに水をあげても根付くことはないので乾燥防止のための水やりくらいでとどめておきましょう。
つまり、冬の芝生の水やりは不要であるというのが結論です。
肥料をあげるのは逆効果
肥料やりもこの季節は不要です。冬の芝生に肥料を与えたところで成長することはありません。ぐっすり眠っているヒトにご飯をあげても食べてくれないのと同じ。肥料を散布したところで吸収しないので施肥は控えましょう。むしろ肥料を与えると雑草が生育する原因となり逆効果です。何か手入れをしたくなりウズウズしたとしても冬は何もせず放っておきましょう。
水も肥料もいらないという事で、経済的にも助かりますね。特に肥料は安い物ばかりでもありませんので・・・
芝刈りをする必要もナシ
芝刈りも不要です。そもそも10月に入ると芝生の成長は急にゆっくりになり、10月下旬頃からは成長はほぼ止まります。なので、10月中に年内最後の芝刈りをしたのであればそれ以降は芝刈りはしなくても大丈夫です。
10月にする年内最後の芝刈りですが、刈り高をやや長め(30mmくらい)にして刈るのがおすすめされています。理由は、厳しい冬を越すためにもある程度の長さがある方が寒さから根を守ることができるという理由と、冬の間に踏まれた時にダメージを軽減させるためある程度の長さを残しておくべきというのがその理由です。夏は成長著しいので多少踏まれたところですぐに跳ね返すくらいの元気とパワーがありますが、冬の休眠期間の芝生は成長しないため踏圧に対する防御力がゼロに等しいんです。そんな時にいっぱい踏まれてダメージをいっぱい受けると薄くなる原因となってしまうので、せめて芝の葉の長さをある程度は残しておいてクッション性を高める方が良いとされています。
と言いつつ、私は年内最後の芝刈りは短く刈る方が好きです。理由はどうせ茶色く枯れるなら短い方が見た目がいい!というものです。そんなに冬の芝生に立ち入ることが多くなければ20mmくらいの短さで刈っても問題ありませんし、あとは好みの問題で長さを選べばいいと思います。
病原菌も害虫もお休みです
病害虫の対策も不要です。ヒトも虫も病原菌もお休みの季節と思った方が良いでしょう・・・
雑草対策は手作業で!
雑草対策も基本的には不要です。除草剤をまく必要はありませんが、雑草が目に付くようであれば手作業で引っこ抜いてしまいましょう。そんなにたくさんの雑草は生えてこないハズなので除草剤を使うまでもありません。
これくらいの雑草であれば手作業で引っこ抜きましょう。
冬の寒い時期だけに庭に出るのがつらいかもしれませんが、他にやる手入れがほとんどないのでこれくらいはやっておきましょう。ポイントは、秋によく生えてくる雑草を放置しておくと春になってからの雑草対策が大変になってくるので、この時期に目につく雑草は徹底的に根こそぎ引き抜くという事ですね。
なお、どうしても雑草が生えてきて対処が大変過ぎるという人は「シバゲン」という除草剤を使うのがおすすめです。春と秋に1回ずつ散布することでほぼ年中雑草知らずで過ごすことが可能です。いま生えている雑草を枯らす効果もありますし雑草が生えてくるのを防ぐ効果も期待できます。効果発現はややゆっくりですがしっかり効果が現れる除草剤なのでおすすめです。
サッチングについて
夏の間にたまった刈りカスなどを取り除くサッチングは数少ない冬の芝生の手入れです。サッチ(刈りカス)が溜まっていると病気の原因になるので、翌年の芝生の成長のためにも冬の間にサッチングをしてスッキリしておくのはおすすめです。
レーキでサッチング中♪
ただし、冬の間にサッチングをするのであれば2月頃がおすすめです。なぜなら、溜まっているサッチは冬の厳しい寒さから芝の根を守る役割を果たしているからです。梅雨や真夏にサッチが溜まりまくっていると病気の原因になりますが、冬季のサッチは実はいい役割も果たしているのです。多少サッチがあったとしても冬に病気になることはあまりありませんので、12月や1月の厳冬のうちはサッチは残しておいてもOK。少しずつ春めいてくる2月頃にサッチングをしてみてはいかがでしょうか?
参考記事:
その他のお手入れ
夏の芝生の生育が不十分だと霜柱で芝生が持ち上がったりすることもありますので、その際は持ち上がった所を踏み固めておくことが大事です。これを「芝踏み」と言います。
霜柱は芝の根にダメージを与えますので、霜柱で持ち上がっていると見えるところは踏みつけておきましょう。そのまま放置しておくと翌年の春の成長に悪影響を与えるので注意です。また、庭の樹木の落ち葉が芝生に残ったままになると芝生にとっては良くありません。1週間に1,2回でもまとめて落ち葉を拾っておくことをおススメします。
以上が冬の芝生のお手入れでした。要は、冬は特にやることはありませんから「冬は基本的に放置!」これを頭において春を待つことにしましょう。