芝生を初めて買う時にまず考えるのは
「芝ってどんな種類があるの?」
「初心者がどの品種を買えばいいの?」
「失敗しにくい品種はどれなの!?」
ということではないでしょうか。
当たり前ですが、人間だれしも失敗はしたくないもんです。あこがれのマイホームを買ったと同時に芝生を張ろう!と思う人も多いでしょう。そんな時に芝生を失敗したらせっかくのマイホームまでもなんだか台無しになってしまいますよね?そこで、この記事では芝生の品種を比較するとともに、初心者が買うべき品種をおすすめしたいと思います。
芝生の品種の比較
日本で育てられている芝生の品種は次のように分類することができます。
【暖地型芝生】
・高麗芝
・姫高麗芝
・TM9
・野芝
・バミューダグラス類
【寒地型芝生】
・フェスク類
・ブルーグラス類
暖地型芝について
高麗芝に代表される暖地型芝は日本の風土・気候にあっているため、育てやすさでは後述する寒地型芝と比べると1枚も2枚も勝っています。寒地型芝よりも管理する手間や手入れの難易度も低いため、初心者がまず選ぶべきは暖地型芝と思って間違いありません。暖地型芝には高麗芝やTM9など種類があり、それぞれの違いについては後程ご紹介します。
寒地型芝について
寒地型芝生は東北や北海道など寒い地域で育てられており、どちらかというと日本ではややマイナーな品種です。また、種子から育てる必要があるのでやや難易度は高めです。また、暖地型芝に含まれるバミューダグラス類も同じく種まきから育てる必要があり大変なので私は挑戦したことがありません。また、バミューダグラス類・フェスク類・ブルーグラス類は西洋芝に分類されるんですが、コストは高めで病気にもなりやすいため育てやすさと言う点でもやや難易度は高いでしょう。年中緑色で日当たりが悪くても育つというメリットもありますが、育てやすさにおいては日本芝に勝ることはありません。初めて芝生を張ろうと思っている人は以上の点からも西洋芝であるバミューダグラス類・フェスク類・ブルーグラス類は避けた方が無難でしょう。
初心者におすすめの品種
暖地型芝の中でも初心者でも失敗しにくい芝の品種といえば『高麗芝』です。
我が家では高麗芝を7年くらい育てていますが、ある程度のマニュアル通りに管理すればとても育てやすい品種です。しかもかなり生命力がたくましいので、多少の枯れや病気や猛暑にも耐えられます。私も何度か芝生を部分的に枯らしてしまったことがあります。が、適切な対処をすることによってそのたびに見事に復活を遂げてきました。また、そこまで神経質に管理をしなくても手入れのコツさえ外さなければカンタンに枯れることもなく失敗が少ない品種と言えます。また、お値段的にも他の品種と比べてリーズナブルなのがうれしいところです。
安くて失敗が少なくて育てやすい。
高麗芝を言い表すとそんな感じです。
芝の品種で迷ったら高麗芝を選ぶ!これは間違いありません。
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ネットで高麗芝を購入!
私が実際に買った高麗芝。この高麗芝はとっても元気で健康的だったので、満足度は100%です。
ちなみに、これは伸ばしすぎですね。元気いっぱいなのはいいんですが、さすがにこれは放置し過ぎました。ただ、それくらい成長しやすいということです。ちなみに、ホームセンターだと芝の品質に当たり外れが大きいので、買うタイミングを見失ったり目利きができなかったりするとイマイチな品質の芝生を買うハメになるので注意が必要です。そういう意味でも私はネットでの購入をおすすめしています。
参考記事:
高麗芝の特徴まとめ
高麗芝の特徴をまとめると、
◆日本の気候や風土に合っている
→もともと日本に生息していた。
◆暑さに強い
→今の日本の気候にはピッタリ
◆病気や害虫に対して抵抗力がある
→枯れにくいので初心者でも管理できる
◆耐塩性も強い
→海沿いの家でも育てられる
◆一般家庭で最も育てられている
→高麗芝の生育方法は情報たっぷり
◆耐陰性にも強い
→日当たりが悪い家でも育てられる
◆寒さには弱い
→育てやすいのは東北以南
高麗芝の特徴はこんな感じです。
寒さには弱いため北海道や東北では育てるのはやや難しいでしょう。ただ、それを除けば日本海側でも太平洋側でも暑い地域でも雨が多い地域でも育てることができます。また、日本は国土が狭く住宅地は密集しているため日当たりが良くない家も多いんですが、耐陰性が強いため日当たりが良くなくても育てることができます。よくネットに書かれている「5時間以上の日照時間は必須です」というのは間違いだと断言できます(ちなみに我が家の日照時間は3時間~4時間)。
以上からも、初心者でも手入れしやすくて失敗のリスクが最も低い芝生の品種は『高麗芝』というのが結論です。
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高麗芝を品種改良した芝
そんな一番人気の高麗芝を品種改良した芝が2つあります。それは、「TM9」と「姫高麗芝」です。我が家では高麗芝と別のゾーンでTM9も育てているので、TM9についてもご紹介したいと思います。
手入れが楽なのはTM9
「TM9」は高麗芝の特徴をそのまんま持ち合わせいるので育てやすさはピカイチです。それに加えて
◆成長速度が遅い
→芝刈りの回数が少なくて管理が楽
◆濃い緑をしている
→色鮮やかな芝生になる
◆葉が柔らかい
→裸足で歩いてもチクチクしない
◆お値段はやや高め
→高麗芝の1.5倍
という特徴も持ち合わせています。TM9と言えばゆっくり成長するというのが代名詞になっており、確かに芝刈りの回数が少なくて済むのは実感できます。ただ、たまにネットに書かれている「年間1回の芝刈りで大丈夫」というのは怪しい情報だと言えますね。仮に年間に1回しか芝刈りしないとボッサボサになることは間違いありません。ボサボサの牧草地のような芝生が好きなのであればそれでもいいのでしょうが、刈り揃えられたきれいな芝生にしたいのであればTM9といえど芝刈りはある程度の回数が必要です。私の場合、真夏の最盛期だと2週間に1回のペースで芝刈りをしています。
多少の予算がかかったとしても、それ以上に「管理の楽さ」を求めるのであれば「TM9」を選びましょう。高麗芝に負けず劣らずおすすめの品種です。
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参考記事:
美しいのは『姫高麗芝』
高麗芝を品種改良した姫高麗芝という品種もあります。姫高麗芝の方がさらにきめが細かく葉が柔らかく、繊細で美しい仕上がりになります。また、密度が非常に高いので見栄えがよくてゴルフ場のグリーンなどにも使われるくらいとても人気の高い芝です。ただ、姫高麗芝の特徴として
◆乾燥や病害虫に弱い
→枯れるリスクが高く失敗しやすい
◆成長スピードが早い
→手入れの手間がかかり大変
◆耐陰性は強くない
→日当たりが悪いと育ちにくい
というデメリットがあります。
我が家でも姫高麗芝に挑戦したことがありました。確かにきめ細かな美しい仕上がりにはなりましたしそれはそれで満足できたのですが、日陰がちなゾーンでは枯れてしまいましたし、水不足になると枯れやすいという印象もありました。そう考えても、やはり初心者におすすめな芝生の品種は高麗芝もしくは予算があるならばTM9を選ぶのがベストチョイスだと言えるでしょう。
参考記事:
人気の低い野芝
最後にご紹介するのは「野芝」です。暖地型芝で日本芝の一種ですが、ハッキリ言って人気はありません。野芝の特徴としては
◆成長速度が遅い
→芝刈りの回数が少なくて管理が楽
◆値段は安い
→暖地型芝の中でも最も安いです
◆寒さに強い
→東北でも生育可能?
◆密度が粗い
→密集したきれいな芝生を形成しづらい
野芝はどうしても見た目では高麗芝・TM9・姫高麗芝には劣るため、高麗芝でもなくTM9でもなく姫高麗芝でもなく敢えて野芝を選ぶ!という人は少数派です。ゴルフ場のラフ(ボサボサに草が生えている所ですね)に使われるような品種ですね。一方、お値段は安くて寒さには強いため、本州の中でも寒い地域に住んでいて寒地型芝のように種まきから育てるのがイヤだという人は野芝を選ぶのもありかもしれません。
このように芝は暖地型芝と寒地型芝にまず分けられ、暖地型芝に分類される芝のなかでもそれぞれ特徴が異なっています。ただ、育てやすさという点では高麗芝やTM9が他のあらゆる品種よりも勝っているので、これから新たに芝生に挑戦するぞ!という人は高麗芝かTM9から始めることをおすすめします。