9月の芝生の手入れでこれだけは外せないという大事なポイントをご紹介します。
梅雨明けから8月末までは真夏ということで、せっせと水やりと芝刈りをしていれば大丈夫でした。大変なんですが、割と単純ななお手入れだけでOKな季節です。真夏は芝生の生育は旺盛な時期ですが病害の心配はあまりなく、とにかく「水枯れ」と「芝の伸びすぎ」に気をつけていれば何とかなりました。ただ、9月はだんだんと涼しくなってきますし真夏と同じ手入れでは不十分です。9月ならでは、の芝生の手入れについてポイントをまとめてみていきましょう。
9月の水やり
9月の芝生の水やりは1週間に2回~3回程度が目安となります。
9月初旬、スプリンクラーで水やりします
9月に入って涼しくなったり雨が降ったりすれば1週間に1回程度でも問題はありません。ただ、近年は9月になっても猛暑が続いたり雨が少ないこともあるので、そうなると真夏と同じ感覚で頻繁に水やりをする方が無難です。9月に入ると芝生の成長はだんだんとゆっくりになるので、9月に水不足で芝生が枯れてしまうと復活できずに枯れたままその年を終えることになってしまいます。なので、9月は水不足に要注意!!日々の天気をしっかりと確認しながら「ここ最近は雨が降っていないな」と思うのであれば水やりをしましょう。10月に入ると芝生はほぼ成長しませんので、水やりを頑張るのはせいぜい9月末まで!そう思ってもうひと頑張りしましょう。
参考記事:
9月の芝刈り
9月の芝刈りで気をつけるべきポイントは「絶対に軸刈りをしない!」ということ。
9月に軸刈りをしてしまいせっかくの緑の芝生が茶色くなってしまうと、その年は緑の芝生に復活するのはだいぶ厳しいでしょう。ご紹介した通り、9月は芝生の成長が緩やかになるので水枯れや軸刈りで枯れてしまうと復活させる時間はもう残されていません。残念ながらその年は軸刈りで茶色く枯れたままの芝生で終えることになるでしょう。そうならないためにも、9月の芝刈りはそれまで以上に少~しずつ刈っていくのがポイント。決して軸刈りにならないようこまめに少しずつ刈っていくようにしましょう。
刈り高の設定の一例
9月の芝刈り時の刈り高設定の一例は次の通り。
9月初旬、25mmで刈る。同日にもう一度15mmで刈る。
9月中旬、20mmで刈る。同日にもう一度15mmで刈る。
9月下旬、15mmで刈る。同日にもう一度10mmで刈る。
こうすると9月末は10mm~15mmとなり、その年はその芝の丈で終えることになります。もう少し長めの丈にして芝生をモフモフさせたい人はそれぞれ1段階ずつ上げてやると良いでしょう。個人的にはある程度は短く刈り揃える方がきれいだと思うので9月末の時点で10mm~15mmにしておいて、その丈でその年の成長が止まるようにして冬を越すのが好きですね。
殺菌剤で病気を予防
秋雨前線などで雨降りが多くて湿気が高い時は1回程度は散布しましょう。
軸刈りや害虫被害と同じく、秋に病気の被害にあってしまうと被害に遭ったままで年を越してしまうことになりかねません。できるだけ毎日芝生の様子を観察して前日より茶色くなっているなどの「異変」がないか日々確認するクセをつけましょう。そして、異変を察知すればすぐに被害の拡大を目的に殺菌剤を使いましょう。
カーブラリア葉枯病には「ロブラール水和剤」がおすすめです。ラージパッチやブラウンパッチなどには「グラステン水和剤」がおすすめ。芝生の病気は一瞬で被害が拡大することもあるので、高温で湿度が高いと感じる時には予防投与的に殺菌剤を散布しておくのもありです。
肥料やりについて
日頃お使いの肥料を規定量だけ散布しましょう。
秋だから特別にたくさん施肥をする必要はありません。あくまでも肥料は「規定量をMAXとして散布」と考えましょう。つまり、規定量以下の量を散布するのが望ましいです。まったく肥料をあげないと肥料不足になりますし多過ぎると脆弱な芝生になったり黄化したりします。
施肥の大事なコツ!
化成肥料の中に多く含まれている「窒素」をたくさん与えてしまうと病気にかかりやすくなるので注意が必要!たとえば「14-14-14」のような高度化成肥料は窒素がかなりたっぷり含まれているので、「オール14」とか「オール15」と言われるような肥料の使い方には十分注意しましょう。病気にかかりやすく弱い芝生になったり肥料焼けの原因にもなるので、芝生初心者であれば手を出さない方が無難ですね。肥料の使い方に慣れていないのであれば「オール8」くらいが使いやすいのでおすすめです。
肥料に含まれている窒素量の散布の目安ですが、日本芝であれば窒素量は10g~15g/㎡を年間3回~4回に分けて散布すればOK。それよりも多過ぎると病気の発症リスクが高まると考えて「窒素の量」をベースにして肥料を散布しましょう。これ、とっても大事なコツなので覚えておいてくださいね。
繰り返しになりますが、9月はだんだん涼しくなるとともに雨も多くなってきます。つまり、そこそこ暑いのに湿度も高い「高温多湿状態」になってしまうのです。そんな季節に肥料(窒素)をたくさん与えてしまうと病気を起こすリスクが高まってしまうので、施肥の量は何となくではなくてしっかりと管理・計算して散布するのが9月の芝生管理の外せないポイントの一つなのです。