芝生の手入れの中でも「芝刈り」「雑草駆除」「水やり」って聞くと初心者でもどんなものなのか簡単に想像できると思います。ただ、「目土入れ」って聞くといつ・どのようにすればいいのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
近くのホームセンターで買った目土
いまいちよく分かりづらい目土入れですが、実はとても大事な役割を果たしてくれます。芝生がきれいに育つためには欠かすことができないお手入れ、それが目土入れです。ザクっというと芝生の上から目土(目砂)をまぶしていくだけ・・・それなのにとっても大事な手入れです。
芝生の目土入れの時期
芝生に目土入れをする時期は
✔ 春
✔ 芝張り後
✔ トラブル時
があります。
細かいことを言いだすとキリがないのですが、主にはこの3つのタイミングが芝生に目土入れをする時期です。これらを上手にできればきれいな芝生を作ることが可能になってきますが、それぞれのタイミングの目土入れについてやり方やその目的についてご紹介します。
春の目土入れ
春(2月~3月)の目土入れの目的は不陸修正です。つまり凸凹をなおして芝生を平らにするという狙いがあります。
芝生(高麗芝)は秋にあると成長が止まり、冬になると茶色に枯れます。そして翌年の春になるとまた緑の芝が芽を出し始めるのですが、芝の新芽が出てくる前に芝生をよ~く見ると凸凹している箇所がわりとあります。
よく見ると凹んでいます
指が入るくらい凹んでいます
芝生が青々としていて緑のじゅうたんになっている時は気が付かなかったのですが、こうして枯れている状態で見ると芝生は意外と凸凹しているんですよね。この凸凹している状態の芝生を平らにするために春に目土入れをします。凸凹の状態ではなく平らな状態から新芽が生えていくと平らできれいな芝生ができあがる、という狙いがあるというワケです。
やや多めに目土入れをするのがオレ流
凹みがなくなりました
これが春の芝生の目土入れです。また、不陸修正以外の目的もあって、それはまだ寒い春先の時期に目土入れをすることで芝生の地温を保って成長を促進させるという狙いもあります。簡潔にまとめると「芝生の表面の保護と成長促進」ですね。
なお、2月~3月頃に茶色く枯れた芝を芝刈り機で思いっきり低く刈る「更新作業」をすると、芝生の凸凹が見えやすくなります。昨シーズンの芝生を一度リセットして新たなスタートを切るための準備である「更新作業」についてご紹介している記事もよろしければご覧ください。
参考記事:
芝張り後の目土入れ
芝張りをした直後も目土入れをする適期です。これは地温を上げたり芝生を保護したりして成長を促進させるという狙いがあります。
芝張りをした直後に大事なことはまずは水やりですが、その次に大事なのは目土入れです。水やりをしっかりしないと根付かずにそのまま枯れ果ててしまうので水やりが何よりも大事なんですが、張った芝の上に適量の目土があると、水やり後に適度な湿度が保たれて乾燥から芝生を守る効果があります。また、春先に芝張りをしたとすればその時期ってまだまだ寒さが残っていますが、そんな肌寒い時期に目土入れをすることで芝生表面の温度が下がり過ぎないようにする役割もあります。そのためにも芝張り後の目土入れって芝生のその後を占うとっても大事な手入れなんです。
ベタ張りをした後に・・・
バロネス目土をたっぷり投入!
なお、張り芝の直後の目土入れのポイントは、芝の葉先が目土に埋もれないようにすることです。芝が目土に埋もれてしまうと光合成ができず成長できないので、目土の量には気をつけてください。
このときに使った目土は芝生愛好家に人気なバロネスブランドの床土です。今までご紹介した目土の役割を担うだけでなく養分も含まれているので更なる成長促進が期待できるスグレモノ!
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目土としても床土としても使えます
床土として大量に使うとコストがかかりますが、目土として使う分にはそこまで大量に買う必要はありません。良い目土が欲しい!と思った方はぜひ使ってみてください。ホームセンターで売っている標準的な目土とは明らかに違います。
以上、簡潔にまとめると、よちよち歩きの赤ちゃん芝生に降り注ぐ水と太陽をしっかりと捕まえて離さないために目土入れをする。これが張ったばかりの芝生に目土入れをする目的です。
トラブル時の目土入れ
芝生がハゲた時、病気にかかった後、害虫の被害に遭ったあと、軸刈りしたあと、成長が思わしくない時・・・そんな困った時に目土は大活躍します。
繰り返しになりますが、目土の効果は
●芝生の凸凹をなおす
●地温を保って生育を促進
●乾燥を防ぐ
●新芽や芝生表面の保護
などがあり、芝生のトラブル時にはだいたいこれらの目土効果が必要になってきます。
ハゲたときはハゲた部分の成長を促進させなけれなりません。土がなければ芝は成長しにくいので目土を入れてやる必要があります。病気にかかった時は殺菌剤を撒くが大事ですが、その後は弱った芝生の表面を保護してあげる必要がありそのために目土が大活躍します。害虫被害の時も同様です。軸刈りしたあとは回復するまでしばらく時間を要しますが、水やりをして目土入れをして少し肥料をまいて後は様子見をすることしかできませんが、逆にいうとその時に目土入れをすることで傷んだ芝を乾燥から守ってあげる必要があるのです。そして、芝生の成長が思わしくない時もジャブジャブ肥料を与えるのは逆効果で、ここはじっくり長期戦とばかりに目土入れをして地温をあげて成長を促進させる方がベターです。
つまり、トラブルが起こった時は目土入れをする!難しい手入れが分からなければ少しずつ目土入れをして様子を見る!四の五の考えずに目土入れをする!これが私なりの目土入れの使い方です。
ジタバタする前に目土入れ
芝生にトラブルが起こった時、ついついアレコレやりたくなるのが人情というもんです。肥料をあげてみたり、芝刈りをしてみてたり、エアレーションをしてみたり・・・目の前のトラブルに対して正解の手入れができれていればいいんですが、時にはその手入れが逆効果になることもあり、そうなるとさらに芝生がダメージを受けることとなってしまいます。ジタバタしてアレコレ手を加えるのであればまずは少しずつ目土入れをしてみて様子を見る、というのが意外と正解だったりするもんです。
その他の目土入れ効果
秋に目土入れをやるとサッチを分解してくれるという効果もあります。
夏場にたくさん芝刈りをして刈りカスがたくさん出てしまいますが、これを放っておくとサッチとしてどんどん溜まっていきます。そうなると病気にかかりやすくなったり翌シーズンの芝生の成長に悪影響を与えたりします。そうならないよう、秋に目土入れをしてサッチを分解しておくというのも大切な手入れの一つですね。
ちなみに、サッチ対策を全然やらずにサッチングするとこんなにとれちゃいます。
こんなに刈りカスなどが溜まっていたと思うとゾッとしますね・・。
サッチングの後に目土を補充するために目土入れをすることもあります。
レーキなどを使ってサッチングをすると、どうしても芝生の表面の砂まで取り除かれてしまいます。
目土入れの注意点
目土入れは「入れすぎに注意」です。1回に入れる目土の量を大量にするのはNGですし、1年に5回も10回も高頻度に目土入れをするのもNGです。
芝の葉先が隠れるくらいまで入れると多過ぎです。そうなると、芝の光合成が妨げられて成長ができなくなるので、芝生の目土入れの量は「葉先がしっかり見えるくらい」を目安にしましょう。
葉先は見えるよう適量を心がける
一般的には、目土は厚さが「1mm~5mm」になるように入れましょうとよく言われています。そして、一回にドバっと入れるよりも複数回に分けて少しずつ入れるほうが望ましいですね。また、ふるいで芝生に目土をかけるのって誰でもカンタンにできるので、お子さんと一緒に芝生の手入れを楽しめるというメリットもあります。
子どもと一緒にやれば楽しさ5倍増!!
競技場や球技場など踏まれてナンボの芝生であれば年に3回~6回は必要と言われています。また、庭園や公園などの場合であれば年に1回~2回が必要だそうです。一般家庭では子どもが頻繁に走り回ると言っても年に5回もやる必要はなく、年間を通して1回~2回で十分です。
ちなみに、目土を1ミリまくと芝生の高さが1ミリ上がります。つまり、1回の目土入れで仮に5mm上がったとすれば10回やれば5㎝上がることになります。1年で1ミリ上昇したとすれば10年後には10ミリ、つまり1㎝家の芝生の高さが上昇するという計算ですね。まぁ、実際は風や雨などで目土も流れていくので毎年グングン芝生の高さが上昇し続けるということはないんですが、それでも目土入れはやり過ぎることなく少しずつ適量を心がけて行っていきましょう。