除草剤には「芝生に使える除草剤」と「芝生で使ってはいけない除草剤」があります。芝生に使える除草剤というのは、言うまでもなく芝生に生えている雑草を枯らせるけど芝生が枯れることはない、というシロモノです。逆に、芝生で使ってはいけない除草剤というのはそもそも芝生用に作られておらず、それをまくと芝生が枯れてしまうのでゼッタイに使用禁止なのです。ただ、「芝生に使える除草剤」でも雑草のみならず肝心の芝生まで枯れることは十分あり得るのです。
除草剤って雑草だけでなく芝生まで枯れるの!?
除草剤で芝生が枯れる理由
除草剤のパッケージには「芝生に使えます」と書いてある除草剤でも芝生が枯れてしまったり黄化したりする原因は使用方法を間違ってしまったから。その一言に尽きます。
基本的に芝生に使える除草剤であるならば使用方法を間違わなければ芝生に悪い影響を与えることはありません。それでも芝生が変色したのであれば次のようなことは思い当たるのではないでしょうか?
◆弱っている芝生に除草剤を使った
◆カンカン照りの日に除草剤を使った
◆用法用量を間違った
◆芝生の生育初期に除草剤を使った
◆短期間で何回も繰り返し散布した
たとえば、芝生が病気になったり枯れ気味だったりする時に除草剤を散布するのはNGです。芝生が元気に成長していることを確認した上で除草剤を散布しましょう。また、猛暑日に散布するのもおすすめはできませんし、そんな時に希釈倍率を間違って濃い除草剤を散布すれば一発アウトの可能性もあります!除草剤ごとの決められた用法用量があるので、雑草をしっかりと枯らせたいからという理由で勝手に濃い除草剤を散布するのはご法度なのです。他にも、芝生を張って間もない時に除草剤を使うのもよくありません。張ったばかりの芝生はいうなれば赤ちゃんのような状態ですので、その時に刺激の強い薬品を与えるのはやめておきましょう。また、除草剤や殺菌剤などの類は年間に使える回数が決まっているものがほとんど。雑草がゼロにならないからといって何回も繰り返し散布するのは良くありません。
使用上の注意は必ず守る!
このように、芝生専用の除草剤には使用上の注意がたくさんあります。そして、その注意事項を守らないと最悪の時は芝生が枯れてしまうので必ず説明書をしっかりと読んでから使用してください。
ちなみに、私は「うまく成長していない軟弱な状態の芝生に除草剤をまいたら枯れてしまった」という経験をしたので、その枯れた芝生の写真と復活させるためにとった対策についてご紹介します。
まだらに枯れた芝生の写真をご紹介
高麗芝を育てている我が家で7月初旬に除草剤をまきました。散布するにあたって
✔ 高麗芝に使える除草剤を選ぶ
✔ 暑過ぎない日に散布する
✔ ちゃんと用量を守る
これらの注意点をしっかり守って高麗芝に使える除草剤を散布したはずなのに、除草剤散布の5日後くらいから芝生が段々とまだら模様に枯れてきてしまったのです。
除草剤散布の5日後の芝生の写真。このときはまさか除草剤で芝生が枯れることがあり得るなんて思ってもいなかったので、「肥料が足りないからまだら模様に成長しているだけかな?」なんてのんきなことを思っていました。
しかし、この5日後の写真が次の通りです。まだら模様がより一層くっきりとなってしまったので成長にムラがあるだけでは済まされないような気がします。
除草剤散布の10日後、さらに枯れた!まだら模様が一層くっきりとしているのがお分かりいただけると思います。さすがにこの時には芝生に異変が起こっているということに気が付きました。
芝生が枯れた原因は?
今回、除草剤で芝生が枯れた原因は「弱っている芝生に除草剤を散布したから」だと思います。水やりも十分ではなく肥料もぜんぜん与えず、そしておそらく土壌もあまりよくない状態が続いているイマイチな芝生に除草剤をまいたことが原因ですね。
決して病気にかかっていたわけでもありませんし害虫の被害に遭っていたわけでもありません。それでも手入れが不十分で芝生が丈夫ではなかったために除草剤の薬効に耐えられなかったのでしょう。除草剤はあくまでも正しい使い方をして初めて思ったような効果があらわれる薬品です。適正な使い方をこころがけて狙った雑草を駆除してみてください。
復活させるための対策
さて、除草剤でダメージを受けてしまった芝生を復活させる対策は特別なことはありません。強いて言うなら「目土入れと水やり」です。肥料はあまり重要ではありませんが、もし肥料を使うのであれば即効性のある液体肥料を薄めで散布する程度で十分です。ダメージを受けている芝生にたっぷり肥料をあげても意味はなく、いうなれば病人に栄養満点のごちそうを食べさせているのと同じことになりますね。
個人的な経験では「目土入れ」は芝生にトラブルがおこった時はかなり有効で、枯れたり成長が悪くて困っている時は「とりあえず目土」的な感じで目土入れをします。そして、水やりをしてあとは放置(様子見)ですね。これでだいたいのトラブルは乗り越えてきました。除草剤による枯れの場合、夏場であれば2週間~3週間は様子見をしてください。これで更に枯れていったり状況が悪くならなければあとは時間の問題。気が付いたら気にならないくらいに復活しているでしょう。
おすすめの化成肥料
もし液体肥料を使いたいという人がいれば、私が常備している液体肥料「ハイポネックス芝生の液肥」がおすすめです。なにが素晴らしいかというと「安くて効果が高い」ということにつきます。つまり、コスパ最高!ってことですね。液肥はトラブル時というよりはむしろ芝生の成長が始まる春の季節に散布したり、成長著しい夏の時期に更に成長を促すためにも使っています。化成肥料は「窒素・リン・カリウム」がバランスよく配合されており、水に希釈して適量を散布するだけという簡単に使えることが最大のメリット。与えすぎると逆に弱くなって病気にかかりやすくなるのもまた事実であり化成肥料を全般的に否定する方もおられますが、使いすぎなければ化成肥料は芝生管理の強い味方になります。何より安い肥料なので1本~2本を常備して使いたいときにサッと使えるようにしておくと何かと便利です。
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おすすめの有機肥料
傷んだ芝の修復に効果が高いと謳われている「スーパーグリーンフード」という有機肥料もおすすめです。
これは微生物や有機肥料が配合されており、ダメージ回復のためにつかわれるだけでなく芝張り後の活着向上や病害虫予防にも使われる優れモノ。芝生愛好家の中では絶大な人気を誇る有機肥料です。一説では売り切れやすいため、なかなか手に入らない時期があるという話を聞いたこともあります。化成肥料は使い続けると土壌が痩せていくというデメリットがありますが、有機肥料はその逆で土壌を育てていく効力があります。有機肥料に即効性はありませんが、気長に土壌を元気にしていきながら芝生のトラブルから復活させていきたいという人は化成肥料ではなく有機肥料を使うことをおすすめします。
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何らかの原因で芝生が傷んでしまうことって結構あります。そんなときの対策としてこちらでご紹介したような肥料を常備しておくと非常に重宝するのでお気に入りの一品を探してみましょう!
犯人が除草剤だと断言できる理由
さて、ここでふと疑問がわきます。
「そもそも本当に除草剤が原因なのか?じつは病気や害虫が原因だったのではないのか?」
なぜこのように思うかというと、枯れた原因を特定するのは簡単なことではなく、ひょっとしたらいくつもの原因が重なっている可能性だってあるのです。ただし、今回に限っては除草剤が原因だったと断言できます。その理由は、除草剤を散布した場所としていない場所でご覧のような差があるからです。
赤線の左側が除草剤を散布していない箇所で、枯れている右側が散布した箇所です。もう一目瞭然ですね。
実は、芝生の面積のわりに小さいサイズの除草剤を買ってしまい、散布している途中で除草剤がなくなってしまったのです。上の赤線の右側までは散布できましたが、赤線より左側は除草剤をまいていないのです。その結果がこの差、なんですよね。これを見る限り、除草剤を散布した場所はまだら模様になっているのに散布していない場所はある程度の緑をキープできているので、「原因は除草剤」と断言してもいいのではないでしょうか。
繰り返しますが、除草剤はあくまでも薬品です。しっかり注意書きを読んで慎重に使っていきましょう!