芝生を成長させるのに何かと頼りにしたいのが「肥料」です。肥料は必ずしも万能ではなく、使えば使うほどいい!というわけでは決してありません。ただ、芝生の成長を後押しする時に役に立つというのもまた事実です。これから芝生シーズンが始まろうとしている3月~4月の芝生の肥料の上手な使い方をご紹介したいと思います。
まず雑草をとりましょう
芝生の肥料をまく前にまず雑草を取り除きましょう。芝生を育てようと思って散布した肥料が雑草の成長を促進させてしまっては元も子もありません。冬の間にチラホラ生えてきた雑草をきれいに取り除いてから肥料をまくようにしてください。
雨で流されないよう注意
せっかく散布した肥料が流されてしまわないよう、強い雨などには注意してください。春は低刈りをしたために芝の葉が短いという人は多いと思います。また、そこまで芝の葉が出てきていない、つまり芝の葉の数そのものが少ない季節でもあります。そんな芝の葉があまり生えそろっていない時に粒子の細かい粒タイプの肥料をまき、その後に大雨が降るとせっかく散布した肥料が流されるリスクがあります。雨の降る直前に肥料を撒くというのは芝生手入れのコツですが、予想外の大雨で流されてしまわないよう、気をつけましょう。
散布する肥料を選びましょう
化成肥料もしくは有機肥料、どちらを散布するか選びます。どちらを選ぶべきか、これがなかなか難しいんですが、どちらか一方だけではなく両方をバランスよく使うようにしましょう。「化成肥料は悪だ!」くらいに言う人もいますが、「窒素」「リン」「カリウム」がバランスよく配合されているので決して「悪」ではありません。芝生を成長させる有効なアイテムであることには間違いないのです。とは言っても、もちろん使い過ぎは厳禁。化成肥料を使い過ぎると病弱な芝生になってしまうので、私は規定量以下で使うようにしています。だいたいの人は化成肥料を使い過ぎていると思った方が良いでしょう。
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一方、化成肥料とよく比べられるのが有機肥料。土壌を改善する効果があり、直接的に芝生に作用して成長させるわけではありません。ただ、芝生を含めた植物全般に言えることとして「土壌が大事」という鉄則があり、有機肥料にはその土壌を改善する効果があるので中長期的には芝生の成長にはとても有効です。化成肥料ばかりを使っていると土壌がやせる一方なので、うまく有機肥料も使って土壌をイキイキとさせながら化成肥料で必要な栄養素も補給してあげる、という使い分けが良いですね。
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散布するタイミング
化成肥料を散布する場合、芝の新芽が出てきてから散布しても遅くはありません。まだまだ寒くて芝の新芽が出ていない状態なのに化成肥料をあげまくっても良い効果は期待できません。あまり焦らずにまずは新芽が出てくるのを待ちましょう。そもそも春は芝生の成長はまだまだゆっくりなので、すぐに多くの肥料を必要とはしていません。そんな時に肥料をガンガンに上げたところで芝生にとってはいい迷惑でしかないので、化成肥料は新芽で芝生全体が緑色っぽくなってきてから使うことをおすすめします。
一方の有機肥料を散布するタイミングは「気温が20度を超えてから」でも遅くはありません。有機肥料は土壌の微生物によって活かされる肥料なので、微生物が眠っている状態で散布してもあまり効果は期待できません。微生物は20℃を超えたあたりから活動を始めるので、そのタイミングを見計らって散布しましょう。ただし、有機肥料はゆっくり効果を発揮するという特徴があるので少し早めに散布しても問題はありません。3月~4月にかけてだんだん暖かくなってきてから元肥として使うのがいいですね。
このように、肥料一つを考えてもいろんな使い方があります。ここで紹介した方法が正解とも限りませんし、芝生が育っている環境や昨年の育て方によっても変わってきます。我が家の場合、化成肥料を中心に3年間ほど芝生を育ててきましたが、有機肥料の大切さを知ってからのここ最近の2年間は有機肥料メインで芝生を育てています。しかし、それで必ずしも芝生が絶好調というワケでもありませんし、よくよく思い出すと芝生を始めたばかりの頃がいちばん芝生の勢いが凄かったですし、その頃に使っていたのはシンプルに化成肥料だけでした。そう考えると化成肥料ってやっぱり捨てたものじゃないのかな??なんて思っています。その時々の環境も変わってくるので、肥料の使い方もいろいろ試しながら芝生管理をしてみるのが面白いんだと思います。