芝生を管理しているとこんな悩みに遭遇すること、あると思います。
「芝生が茶色っぽく枯れ気味で元気がない。どんな手入れをすればいいの?」
これ、よくありますよね~。
芝生に元気がないとき、どんな手入れをすればいいのかとても悩みます。
病気で元気がない芝生
2022年7月。
なかなか夏本番の暑さにならず、毎日ジメジメ蒸し蒸ししています。かなり高温多湿。
その結果、
今年も我が家の芝生はもれなく病気になってイマイチ元気がありません。
茶色っぽい芝生です・・・
それなりに芝は生えているものの、何だか茶色っぽくて絶好調からは程遠いです。
ここの芝生。
一年前(2021年)は8月~9月にかけて病気にやられてしまい、だいぶ枯れてしまいました。今年(2022年)は病気にならないように5月、6月に殺菌剤の「グラステン水和剤」をしっかりめに散布しましたが、病原菌の活動を抑えることができず、病気が再発したと考えて間違いないでしょう。基本的に、日本で手に入る殺菌剤は病原菌を死滅させる効力はありません。そこまで強力な殺菌剤は規制のため販売できないのです。なので、一度でも芝生で病気が起こったのであれば殺菌剤を散布したとしても発症をできるだけ抑制しているに過ぎず、決して病原菌を死滅させているわけではないのです。そして、活動をひそめていた病原菌が今年も暴れ出した・・・というわけです。
上半分は今年に張り付けたTM9ゾーン。
下半分は病気で元気がない高麗芝ゾーン。
比べてみると、密度や勢いが違いますね。
ハゲてはいないものの、密度が低いところや色が薄いところが散見されます。こういうのって結構目立ちますし気になり出すと止まりません。
不健康な色をしています
病変だらけの芝
これは・・・カーブラリア葉枯病??
皆さんも芝生が病気かな?と思ったらぜひスマホなどで接写してみてください。目で見るより病変を見つけやすいので、ドアップの写真を撮ってみる。これ、おすすめです。
では、このように病気になってしまいイマイチ元気がない芝生の手入れってどうすればいいのでしょうか?
病気がちな芝生の手入れ
病気になって元気がない芝生の手入れの方法ですが、私の場合は
❶サッチングで枯れた芝を取り除く
❷薄く目砂入れをする
❸殺菌剤を散布する
❹夏が来るのを待ち焦がれる
これでいきます。
余計なことはせず、必要最低限のことだけをやるのが良いと考えています。
❶サッチングをする
夏場でもサッチ(刈りカス)は溜まっていくので、これを取り除いてやろうと思います。
長雨でジメジメしているので、せめて溜まっているサッチを取り除いてあげて少しでも芝生をスッキリさせてあげたいところ。まぁ、サッチングをしたところで病気が治るわけではありません。が、少しでも病気が広がらないようにできることをやっておこうと思います。
ただ、サッチングをしてみたものの、あまりサッチを取ることはできませんでした。ガリガリやると逆に芝生を傷めてしまう可能性もあるので軽めにやってみましたが、ゴッソリ取れたわけではありませんでしたね。気持ちスッキリできたかな?くらいのもんでした。
❷薄く目砂入れ
「困った時の目砂入れ」と言われるように、病気で芝生が弱っている時も目砂入れをします。
芝の芽の発育を促進させるという狙いと、病気やサッチングで弱っている芝生を保護するという意味も込めて目砂入れをしてやりました。このときの注意点としては、「たっぷりではなく、薄く目砂入れをする」ということですね。
私のお気に入りは「自然応用化学」という会社から発売されている「芝生の目土」という砂です。分類でいうと『珪砂』にあたります。この目土がとっても使いやすくて不陸修正や芝生トラブルのときには欠かせません。残念ながら楽天やAmazonでは取り扱われていないようで、毎年春に近所のホームセンターで大量に買うようにしています。それでもなんやかんやでシーズン中にはなくなってしまうくらい、とても重宝しています。
お気に入りの芝生の目土
皆さんもお気に入りの目土(目砂)を見つけてみてはいかがでしょうか。
❸殺菌剤を散布する
病気になったら殺菌剤を散布して損はしません。むしろ必須だと思います。
殺菌剤や殺虫剤を使わなくてもきれいな芝生を維持できる、というのが理想だと思います。ただ、薬品を一切使わずにトラブルなしの芝生を維持し続けるのはとっても難しいんですよね。また、一回でも病気になってしまったら病原菌を根絶するのはほぼ不可能。それを考えると上手に殺菌剤を使っていく方が満足度の高い芝生を作れるのではないでしょうか。
枯れている芝の葉にこのような黒~茶色の斑点が出てくるのは、多分ですが「カーブラリア葉枯病」だと思います。高温多湿な気候が続くと起こりやすい病気です。そして、一気に広がっていき芝生全体が甚大なダメージを被る病気です。
このような症状が出た時は「ラリー水和剤」を散布するのがおすすめです。
芝生のカーブラリア葉枯病に最適!
「ラリー水和剤」は病気の予防効果も高いのですが、治療効果にも優れています。梅雨や秋の長雨の時期などに病気発症の予防として散布するのをおすすめします。芝生愛好家の中では外せないアイテムの一つですね。
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250gも入っているのに3000円弱なので、そこまで高価な殺菌剤ではありません。コスパにも優れていて、物価高のこのご時世にはとても助かります。
❹夏の到来を待つ!
あとは、「夏が来るまで耐える」です。
病気でやられてしまった芝生を回復させるには肥料ではなく光合成が何よりも効果的。2022年7月、戻り梅雨でいつまでも天気が悪い日が続いていますが、早く夏本番になってギラギラの太陽に照らされて光合成をすることで回復するのを待ちます。それまで❶~❸の対策をして耐え忍びましょう!
芝刈り・施肥はやりません
ちなみに、病気で元気がない時はできるだけ芝刈りは避けるようにしています。芝刈りって、実は芝にとってはストレスなんですよね。よく考えてみたら分かりますが、「芝刈り」って自分の身体をジョリジョリ刈られるわけですから芝からすればツライことなんです。病気で弱っている時にジョリジョリ刈られると更にダメージを被るわけですから芝にとっては決して良いことではありません。なので、病気になって変色して元気がないときは芝刈りはできるだけ控えましょう。
芝生が病気になっている時の芝刈りのデメリットはまだあります。それは、芝刈り機に病原菌が付着して元気な芝生にも病原菌を撒き散らかす恐れがある、ということです。結果、それまで病気にならず元気だった芝生まで同じ病気を発症してしまうリスクもあるので、そういった意味でも病気になっている時は芝刈りはできるだけやらない方がいいのです。
また、芝生が病気の時は化成肥料などを散布するのも控えるようにしています。風邪ひいて元気がないって言っているのに、栄養ドリンクをガブガブ飲ませられてステーキをガンガン喰わせられたら人間だってたまったもんじゃありません。芝だって同じです。病気の時は過剰な栄養素(窒素・リン・カリウム)は求めていません。それよりも殺菌剤を適切に使ったうえで水やりをほどほどにして日光を浴びて光合成をする。それが病気になっている芝生にとっては有り難いのではないでしょうか。
芝生が病気の時は余計なことはしない!
それがイチバンですね。