飯盒炊爨(=はんごうすいさん)。
この言葉を聞くと、小学校のときに行った林間学校を思い出すのは私だけでしょうか?
学校の先生に言われるがままに飯盒に米を入れて、それから米を研いで火にかけて・・・
という何となくめんどくさかったな~という思い出がよみがえりそうですが、ここ数年のキャンプブームもあり飯盒で米を炊くことに憧れている人が増えているのではないでしょうか?
実際、飯盒で白ご飯を炊くとめっちゃ美味いのは間違いありません。
子どもとキャンプに行った時、キャンプ仲間が飯盒で白ご飯を炊いてくれたのですが、炊き立ての白ご飯を食べながら息子は
「世界で2番目に美味しい!」
と言って、ふりかけも何もかけず軽く塩だけ振りかけて茶碗3杯くらいモリモリ食べてしました。それくらい飯盒で白ご飯を炊くと美味しく仕上がるのです。
炊飯器で炊く白ご飯とは全く別物と言ってもいいでしょう。
そこでっ!
ロゴスの飯盒、買いました
キャンプでふっくら美味しい白ご飯を食べるため、そして息子に「世界で一番美味しい!」と言ってもらいたいがためにロゴスの飯盒を買いました。
別になんてことない普通の飯盒です。
5合炊きの丸型の飯盒。
ロゴスだから特別イイ!というわけでもないと思いますが、我が家のキャンプグッズはロゴスで統一しています。だから、問答無用でロゴスの飯盒を買った、というわけです。
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無骨な感じを出してキャンプをしたいという人にはヒョウタンの形をした兵式飯盒が人気ですが、我が家が買ったのは丸型飯盒。性能は丸型でも兵式でも変わらないと思います。
飯盒炊爨って難しい?
飯盒炊爨で米を炊くには、飯盒と米と水と火さえあればできます。
飯盒を買ってしまえばコッチのもの。あとは、キャンプに行って実践するのみ!
・・・ただ、こう思っていませんか?
「飯盒炊爨のやり方って難しそう・・・」
いえいえ!実は全然むずかしくないので、アウトドア初心者でも失敗せずにできちゃうんです。
ロゴスの飯盒の使い方
「飯盒炊爨」と聞くと「THE アウトドア」という感じで上級者向きなんじゃ・・・
という心配は無用。実はとても簡単です。
飯盒炊爨で失敗しない方法はコレ!と言っても過言ではありません。次のように炊くだけでふっくら美味しい白ご飯ができちゃいます。
飯盒炊爨のやり方
❶飯盒に米を入れる
❷しっかり米を研ぐ
❸米と水を入れる
❹30分~1時間、水に浸す
❺15分、弱火にかける
❻5分、強火にかける
❼15分、弱火にかける
❽火から下ろして20分ひっくり返す
そして、美味しく食べる。以上!
簡単そうですが、実際、ホントに簡単なんです。
気を付けるのは火加減くらいでしょう。
ずーっと強火で炊き続けると焦げてしまいます。その点は注意が必要です。
・・・と言いつつ、ぶっちゃけ火加減もだいたいでOK。そこまで繊細な火加減は求められていません。
だから、初めて挑戦してもわりと上手くいくので、試してみる価値アリアリです。
米や水の計量はどうする?
飯盒を使うときに心配なのは、米の量と水の量をどうやって計るのか、ではないでしょうか?
張り切って飯盒で白ご飯を炊こうとして失敗してベチャベチャの白ご飯になったりパサパサの白ご飯になったり。で、家族から白い目で見られてお父さんションボリ・・・というのが一番ツライと思います。
炊飯器で炊くときはちゃんと米の量とか水の量を計ることができますが、キャンプで飯盒炊爨するときも同じように計量できるのでしょうか・・・
飯盒の中蓋で米の量が計れる
心配無用!米の量、しっかり計れます。
飯盒の中に内蓋があり、その内蓋に擦り切れいっぱいの米を入れると2.5合になります。
飯盒さえあればしっかり米の量は計量できるので安心してください。
ただ、実際にキャンプに飯盒を持っていって現地で飯盒炊爨をするのであれば、家を出る前にあらかじめ2.5合の米をジップロックなどに入れて現地に行くと良いでしょう。
水の量はメモリが付いています
水の量だってちゃんと計れます!
飯盒の内部にメモリがあり、2.5合炊きと5合炊きの場合の水の量を測ることができます。
メモリが付いてなければ水が多い・少ないで米を炊くのに失敗しそうですが、そんな心配もありませんね。
最近のキャンプグッズはとても優秀なので、米の量や水の量でキャンパーを悩ますことはありません。キャンプグッズ専門のロゴスならばなおさらです。その辺はしっかりとデキているのです。
さぁ、あとはやってみるだけ!
飯盒炊爨で米を炊くのって思っている以上に簡単。ぜひ挑戦してみましょう!
飯盒炊爨、やってみた!
今回は庭で飯盒炊爨することにします。
使うのは、ロゴスの焚き火台。
その名も『TAKIBI』。いい名前です。
家に薪がたくさんあるので、薪と炭で火を起こすことにします。
イイ雰囲気が出てきた『TAKIBI』
せっかくなので、芝生のある庭でキャンプ風にしてやることになりました。
ほとんどが、ロゴス!
まず準備
今回は2.5合の米を炊くことにします。
しっかり米を研ぐ。そして、飯盒の内側にあるメモリまで水を入れます。この状態で1時間ほど水に浸しておきました。
準備はこれだけ!
次はいよいよ火にかけます。
弱火で15分
まずは弱火で15分。
と言いつつ、薪で火を起こしたため火力の調節が難しく、なかなか弱火を維持できません。できるだけ火の勢いが弱い所に飯盒を移動させて何とか弱火15分を実現します。
強火で5分
次に強火で5分。
このとき、お米がグツグツしてきて飯盒のふたがカタカタ持ち上がるように動きます。なので、重たいモノを飯盒の上に乗せてフタがずれないようにします。こうすることでうま味をしっかりと閉じ込めながらご飯を炊きます。
もう一度、弱火15分
仕上げに弱火で15分。
例によって薪で火おこしをしたため、火加減の調節が難しかったです。ちょっと火が強すぎたなぁ~と反省。
でも、この時点ですでに美味しい白ご飯の香りがあたりに充満しています!この香りだけで飯盒炊爨の成功を予感させます。
あぁ~、早く食べたい!
20分、ひっくり返す
火から降ろして、20分ひっくり返します
このようにすることで、飯盒の底に溜まっている「水分」と「うま味」が全体にジュワジュワ~っと広がります。この行程がとても大事!
ちなみに、飯盒を火から降ろす時と飯盒をひっくり返して地面に置くときはとても熱いので気を付けて下さい。特にひっくり返すときは耐熱手袋がないとかなり厳しいことになるでしょう。
さて、20分が経ちました。
30年ぶりの飯盒炊爨は成功するのか・・・
果たして、白ご飯のデキは・・・・?
大成功!
ですが、できたての写真を撮るのを忘れてしまい、食べ散らかした後の写真しか残っておりません・・・。うまく炊けたことが全く伝わらない写真しかないのですが、
誰が何と言おうと、
大成功でした!
いや、マジで。
ご覧のように、美味しそうな「お焦げ」もできました。
「お焦げ」というより「焦げ」なのかもしれませんが、誰が何と言おうとこれは「お焦げ」!パリパリしていて美味しかったです。
ということで、30年ぶりの飯盒炊爨は大成功でした!これで次のキャンプでドヤ顔しながら飯盒炊爨ができますね!(?)
ポイント❶火加減
飯盒炊爨をする時のポイントは、やっぱり火加減。これは間違いないと思います。
上の方でも紹介しましたが、最初は弱火。途中から強火で、最後は弱火。この火加減で炊くか否かが最大のポイントではないでしょうか。
この「弱火→強火→弱火」という火加減を作るときのコツですが・・・
それは、薪ではなく炭で火おこしをすることです。
炭は火加減を調節しやすい
飯盒炊爨をするとき、薪ではなく炭で火を起こすようにしてください。ここが大きなポイントです。
私は今回、薪で火おこしをして飯盒炊爨をしました。薪って燃やすとひたすら燃え盛ります。容赦なく強火の連続。そう、薪はある程度が燃え尽きるまでひたすら強火しかできないのです。そうなると、最初の「弱火で15分」ができず、いきなり「強火で15分」になってしまいます。だから、薪で火を起こして飯盒炊爨をするとご飯が焦げ気味になりやすいのです。
一方、炭は薪よりもダンゼン火加減の調節がカンタンです。いったん火がついてもしばらくしたら火は落ち着いて弱火になります(これを熾火といいます)。薪のようにずっと強火で燃え盛るなんてことはありません。でも、空気を送り込んでやると強火に早変わり!で、しばらくするとまた弱火に戻ります。この炭の性質を利用すると理想とする火加減が実現しやすいのです。
ということで、火加減を上手に調節するためには、炭で火をおこしていったん火の勢いがおさまってから飯盒を網の上に置いて弱火15分・強火5分・弱火15分で炊くと上手な飯盒炊爨ができることでしょう。
耐熱手袋は必需品
ちなみに、飯盒炊爨をするときは耐熱手袋があるととっても重宝します。
というか、耐熱手袋がないとムリ!!
飯盒を火から降ろすときに飯盒の取っ手を触るのも耐熱手袋がなければムリです。というか、耐熱手袋をしていても火傷しそうになるくらい熱かったですね。また、最後に飯盒をひっくり返す作業こそ耐熱手袋がなければムリ!じかに飯盒を触ってひっくり返すしかないので、素手でやろうもんならすぐにテントを片付けて病院に直行しなければならないことに・・・。
ワイルド感を出そうと軍手でトライするのもありですが、耐熱手袋があるにこしたことはありません。やせ我慢はせず、本当に必要なアイテムは買うようにしましょう。
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ポイント❷途中で蓋を取らない
もう一つのポイントは、最初から最後まで飯盒のフタを取らない!ということです。
グツグツし始めると飯盒の中のお米の様子を見たくなります。興味半分、心配半分でついつい蓋をとって中の様子をみたいところですが、ここはグッと我慢。
食べる時まで蓋は取ってはいけません。
ダメ、ゼッタイ!
ゼッタイに蓋はとらず、食べるまで蓋はしたまんまです。
これが美味しく炊き上げるコツですね♪
♪はじめちょろちょろなかぱっぱ
ちなみに、『はじめちょろちょろなかぱっぱ』というフレーズ、聞いたことあると思います。
これは、釜でご飯を炊くときの火加減の調節の方法を言い表した江戸時代から伝わる歌なのです。
「はじめちょろちょろ」⇒最初はちょろちょろとした弱火で炊きましょうということです。
「なかぱっぱ」⇒途中からは一気に強火にしてぱっぱと炊きましょう!という意味。
飯盒で米を炊く時も最初は強火で途中から強火でいきましょうと紹介しましたが、まさに「はじめちょろちょろなかぱっぱ」と同じですね。
で、この歌には続きがあります。
♪ジュウジュウ炊いたら火を引いて
最後に弱火で15分炊くと紹介しましたが、これが「ジュウジュウ炊いたら火を引いて」の意味。
つまり、強火で炊いた後に沸騰したら少し火を弱めましょうということです。ちなみに、弱火にはするものの沸騰している状態をキープすることがポイントです。
♪ひと握りのわら燃やし
これは釜の中の余分な水分を加熱して飛ばしましょうということ。
ポイントは焦がさないようにすること!弱火でクツクツと炊きましょう。
♪赤子泣いても蓋とるな
で、蓋はとらない。
赤ちゃんが泣いても蓋はとらない!
何があっても途中で蓋はとらない!
ダメ、ゼッタイ!!!
しつこいようですが、ご飯を食べるその時まで、蓋はとらずにグッと待ちましょう。
続けて歌うと、
はじめちょろちょろなかぱっぱ ジュウジュウ炊いたら火を引いて ひと握りのわら燃やし 赤子泣いても蓋とるな
これを飯盒炊爨でも守って美味しいご飯を炊きましょう!
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