幼稚園・保育園・小学校の校庭・園庭を芝生化する動きが活発になっています。園や学校に通う子ども達に少しでも良い環境を与えてあげたいという大人の気持ちの表れの一つだと言えます。また、今後も少子化がどんどん進むことがほぼ確実ですので、少ない子どもをより大事に、そして良い環境で育てたいという想いもあるでしょう。
芝生化のメリットはたくさんある
確かに芝生の管理は簡単ではありません。お金がかかることも事実です。
参考記事:
手間暇もかかることですので、大人がある程度頑張らないと芝生を維持するのは容易ではありません。しかし、芝生化することによるメリットが非常に大きいため取り組んでみよう!という園や学校も増えているのもまた事実。校庭・園庭を芝生化することの効果・メリットは「緑が増えて気持ちがいい」だけではありません。そこには果てしなくたくさんのメリットがあると期待されています。
芝生の上なら読書だって楽しい
そこで、本日は校庭や園庭を芝生にすることのメリットを8つあげたいと思います。きっと芝生の良さを実感していただけると思います!
①外遊びの時間が増える
まずは子どもが外で遊んだり身体を動かしたりする時間が増えること。これが最初のメリットです。
保育園や幼稚園では外遊びの時間はある程度は決まっています。しかし、小学校では休み時間や放課後に教室の中で遊ぶか・外で遊ぶかは子どもの気持ち次第。そんな時、校庭に芝生があればどうでしょう?緑のじゅうたんの上でのびのび遊びたいと思うのは容易に想像がつきますよね?中には妙にテンションが上がってしまう子もいるでしょう。なかなかご自宅に広々とした芝生があるご家庭は多くないと思います。大きな公園にでも行かないと出会えない芝生が「自分の学校の校庭にある」とついつい外遊びをしたくなるのでしょう。身体を思いっきり動かして遊ぶことをしなくても、部屋にこもりっきりの子どもが芝生の上に座るために部屋から外に出る、という行為自体も増えます。これ、とても良いメリットだと思いませんか!?
外遊びが身体に悪いはずはありません。外遊びの時間を意図的に増やす為にも校庭・園庭を芝生化する価値は十分にあると思います。
②コケても怪我しにくい
芝生の上であれば走っていてコケても怪我をしにくい。これ、実は子どもだけでなく大人にとっても有り難いことなのです。
土の運動場で走っていてコケると擦り傷ができますが、芝生だと擦り傷ができるリスクはかなり減ります。擦り傷ができても少しくらいであれば別に良いじゃん!という声も聞こえてきそうですが、特に保育園や幼稚園では擦り傷ができると「〇〇ちゃんの足に擦り傷ができた理由は××のためです」という説明を親御さんにしなければならないのです!芝生であれば擦り傷ができるリスクがかなり減るので、園の先生が親御さんにけがをした理由を説明する手間が省けることと、たまにいるヒステリックな親の文句を聞く手間も省ける。これ、めっちゃ有り難いメリットですね♪
私が小学生の頃(約30年前)は擦り傷程度で騒ぐ大人はほとんどいなかったと思いますが、今は少し事情が違うようですね。なぜ怪我をしたのか?の説明を求める親御さんが増えてきているようです。私の子どもが通っている保育園でも何か怪我をしていると聞いてもいないのに「今日はこんなことがあって怪我をしました」というように丁寧に説明してくれるのです。
つまり、子どもが怪我をすると
まずは子どもを保健室に連れて行って傷を洗ったり消毒をしたり絆創膏をはったりしてあげて、泣いている子どもにはケアをしてあげる。さらには親御さんにケガをした経緯を説明してなぜか園の先生が謝るハメになり時にはクレーム(いちゃもん?)をつけてくる親のたいおうもしなければならない・・・
このような事が待っているかもしれません。
これら、ケガによる一連の事象を解消できる可能性を大いに秘めているのが芝生化プロジェクトなのです!
③偏平足を減らせるかも
裸足で走ることで偏平足を減らす効果も期待できます。
芝生化した時におススメなのは、先生も含めて芝生の上は裸足で遊ぶというルールを作ってみてはいかがでしょう?これは特に保育園・幼稚園でおススメします。それは、裸足で走り回ると偏平足が減らせた、という声があるからです。土の運動場の保育園や幼稚園でも裸足で遊ぶことをルールにしているところもあるようですが、やはり足の裏のケガが心配です。最近のクソ暑い気候の中、裸足で土の運動場を走り回ると足の裏を火傷する可能性だって大いにあります。が、芝生にすれば足裏のケガ・火傷のリスクをかなり軽減できて、なおかつ偏平足をなおす効果も期待できるんです。
子どもを思いっきり裸足で遊ばせて足の裏から健康づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか?
※もちろん、芝生にしても小さな石ころや異物が混じっていることもあるので怪我のリスクはあります。また、最近ではリスクの高い外来生物が日本にたくさん来ています。そういったことを天秤にかけながら裸足遊びを検討すると良いと思います。
④生き物との触れ合い
芝生に潜んでいるいろんな生き物と触れ合うこともできます。
芝生には実に様々な生き物がいます。
我が家の芝生にも
◎カマキリ
◎バッタ
◎カエル
◎クモ
◎蝶々
◎コオロギ
◎鈴虫
◎スズメなどの鳥類
などなど、いろんな生き物が集まってきます。秋なんて最高です。秋の夜長に家で過ごしている時にコオロギや鈴虫の音色が聞こえてくるとそれだけで何とも言えないほっこりとした気持ちになってきます。
ただ、このように虫の名前をつらつらと書くだけでイやな顔をする人もいるでしょう。しかし、好き嫌いは別として、小さなうちからいろんな虫に触れ合うことはとても良い経験になると思います。なかには虫が大っ嫌いで触ることができないお子さんもいるでしょう。しかし、それはそれで良いのです。むしろ、虫に接する機会が極端に少ないことの方が子どもの成長に良くないと思います。虫に接した結果、嫌いだった。それならそれで良い経験になるでしょう。お子さんの教育の為にも命があふれる園・学校にしてスクスクと育っていく環境作りを頑張ってみませんか?
なお、虫がいるからといって安易に殺虫剤を散布しまくるのはゼッタイやめましょう。人体に害が少ない殺虫剤もありますが、そもそも芝生に生き物はつきものなので虫がいるからといって殺虫剤をそのたびに散布するのはNGです。虫がほとんど生息しないような芝生で子どもを遊ばせたいですか?生き物とのふれあいと出会いが生まれる大切な機会ですので、大人目線で嫌いな虫(クモやミミズなど)がいたとしてもすぐに殺虫剤をまくのはゼッタイにやめましょう。
⑤マイナス8度の効果!
地球沸騰化時代に朗報!芝生を張るとマイナス8度の効果があると言われています。
芝生を張っていると太陽の照り返しをかなり抑えてくれます。その効果は想像以上!なんと、「都環境科学実験所」の実験結果によると、土の運動場よりも芝生の運動場の方が8.3℃も地表の温度を下げたという試験結果があるのです!芝生化で地球の温暖化が防止できる!・・・なんて大それたことはなかなか言えませんが、それでもこの効果は大きいですよね?
今後も温暖化が続くと言われています。そんな時代ですから、校庭・園庭を芝生化することをきっかけに子どもと一緒に温暖化を考えるきっかけにするのも一つの学びの場にするのも良いことですネ。
⑥土ぼこりが立たない
芝生だとどんなに風が吹いても土ぼこりはたちません。だって土がありませんから!
これはそのまんまです。詳しい説明は不要だと思いますが、私が子どもの時、風の強い日に小学校の運動場で遊んでいて、気が付けば口の中が砂でジャリジャリになっていた、という記憶があります。これって結構気持ち悪いですし、砂にまみれた服で教室に帰って授業を受けるとなるとあまり気持ちのいいもんではありませんよね。口や服が砂まみれになって勉強に集中できない!そんなことを防ぐことができるのが芝生化プロジェクトなのです。
⑦雨が降っても大丈夫!
芝生だと雨が降っても地面がグチャグチャにならない。これ、外遊びが好きな子どもにとっては素晴らし過ぎる事実です!
園や学校の運動場って必ずしも水はけが良いとは限りません。一日中、雨が降ろうもんなら1,2日は水たまりやぬかるみができて使い物にならないこともあります。芝生の場合、たくさん雨が降ったとしても水たまりになることはほぼありません!休み時間のドッジボールや体育が大好きだった昔の私にとって、雨がふった次の日に水たまりができているために運動場が使えない、というのはハッキリ言って拷問でしたね。「今日は晴れているのに昨日の雨のせいで運動場がグチャグチャで使用禁止・・・」となった時の悔しさは今でもハッキリ覚えています。
これだけを考えても芝生化することって外遊びが好きな子供からすれば最高のプレゼントだと思います。
⑧子ども集めに効果あり!
芝生がある園・学校に子どもを通わせたい!そう思う親御さんは確実におられます。
園庭・校庭を芝生化するメリットはたくさんありますが、実際にやっている所はまだまだ少数派です。そんな中で、あなたの園・学校が芝生化をすると確実によそとの差別化になります。どうせ子どもを通わせるなら少しでも環境がいいところに通わせたい。少子化のこのご時世、我が子を大事に育てるのは当たり前。少しでも魅力ある園・学校づくりが必要不可欠なのです。
急に現実的な話になって恐縮ですが、少子化は今後も間違いなく進行します。となると、園も学校もハッキリ言って少ない子どもの取り合いになります。親御さんが求めることってまずは「教育」です。ただ、未就学児や小学生の教育と言うのは机に座って学ぶことだけではないのは今は常識。子ども同士のふれあいから学ぶこともたくさんありますし、ちいさなうちから机と椅子に縛り付けてお勉強させたいという親は減ってきています。そんなとき、親御さんが次に求める「伸び伸びと成長してほしい」という想いに近づける一つの手段として芝生化プロジェクトがあれば大きな魅力の一つになることは間違いありません。だってよその園・学校は芝生化していないところがほとんどなので唯一の存在になりますから。
少子化=子どもの取り合い。
園も学校も生き残りをかけた努力が欠かせないこのご時世です。芝生化をすることで魅力を一つ打ち立ててみませんか?
助成金制度もある
また、都心部の自治体に限る話かもしれませんが、芝生化にともなって補助金が出る自治体もあります。芝生化をする際は一度お住いの自治体に問い合わせてみてくださいね。
いかがでしょうか?思いつくまま書いてきましたが、はっきり言ってもっともっとメリットはあるハズ。それくらい芝生には素晴らしい可能性があると私は思っています。
たかが芝生。されど芝生。
確かに維持・管理は大変です。それでも挑戦してみる価値は十分にあると思います!
結局は「誰がやるの?」問題
ただし、校庭・園庭を芝生化するときに必ず起こるのは「誰が管理するのか?」問題ではないでしょうか?それって皆さんがお勤めの会社でも同じような問題は起こっているでしょうし、ご家庭でも同じような問題(争い?)は起こっているでしょう。
誰が水やりをするのか?
誰が芝刈りをするのか?
誰が面倒を見るのか?
誰が●●●をやるのか?・・・
と、言い出したらキリがないくらい誰がやるのか問題はつきないでしょう。確かに芝生は放置していても勝手に育つわけではありませんし、水やりや夏場の芝刈りなど一定の手入れ作業は発生します。学校や地域で当番を決めるにしてもお盆の時期は誰が担当するのか?などは確かによくよく話し合わないと無用なトラブルを引き起こしかねませんし、それが原因でやっぱり芝生をやめようとなってしまうこともあり得るでしょう。
だから、極力お手入れの手間をかけない方法を見つけるべきだと思います。
たとえば、水やりは児童のスプリンクラーを使うのがおすすめです。タイマー付きのスプリンクラーを使えば、毎日●●時になれば●●分間放水し続けるという設定が可能です。我が家の芝生は狭いんですが、それでも夏場の水やりが大変なのでタイマー付きスプリンクラーを使ってとても助かっています。
参考記事:
水やりの次に大変なのは芝刈りです。非常に高価ですが、今は自動で動く芝刈りロボットもあります。他にも自走式タイプで広い芝生に適した芝刈り機なども発売されているので、ある程度芝刈りを楽にすることもできるのです。本来、芝生愛好家にとっては芝刈りは楽しいものですが、義務感いっぱいでやると「芝刈り」が「草刈り」になってしまいますし、そうなると急に苦行のように思えてくるでしょう。そうならないためにもある程度の高性能な芝刈り機を用意して楽に芝刈りをするべきだと思います。
参考記事:
おすすめの芝生の品種
もし、園や校庭を芝生にするのであれば「高麗芝」という品種がおすすめです。
高麗芝は日本で最もポピュラーな芝生の品種で育てやすさは勿論のこと、丈夫で病気になりにくく芝生初心者でも育てやすいというメリットがあります。高麗芝の葉はやや硬いので短く刈り込んでいる高麗芝の上をはだしで歩くとややチクチクします。ただ、見た目もキレイですし密度の高い芝生にしやすいという特徴があるので、校庭や園庭を芝生にする品種としては最適だと言えるでしょう。最もポピュラーで最も流通しているので値段的にも良心的。どの品種を買えばよいのか分からないのであれば高麗芝を選べば間違いありません。
|
校庭・園庭を芝生にするのであればそれなりにたくさんの芝を買う必要があるので、自分で買うのであれば店頭で買うよりもネットで買う方が断然ラク!いつでも新鮮な状態の芝生を届けてくれるのでネット通販を基本的にはおすすめしています。
管理がもっと楽なのはTM9
芝生管理をより楽にしたいのであれば高麗芝の改良型である「TM9」という品種もおすすめです。
TM9は日本で最も一般的な品種である「高麗芝」を品種改良した種類なんですが、最大のメリットは成長が遅いので芝生の管理がとても楽!という点です。芝生を育てていると分かると思いますが、芝生って成長のスピードがめちゃくちゃはやく、特に夏場なんてすぐにボーボーになります。とにかく芝生ってすぐに伸びるんです。芝の葉丈ってある程度以上になると急にみすぼらしくなってしまいます。それまでは「芝生」だったのにボサボサ感が出てくると急に「雑草」感がでてきてしまいます。それを防ぐためにはこまめに芝刈りをする必要があるんですが、高麗芝は夏場はめちゃくちゃ伸びるのが早いので1週間に1回くらい芝刈りをしないとボサボサになってしまいます。頻回な芝刈りの手間ってわりと大変なので、芝刈りの回数を減らすことによる省力化のためには成長スピードが遅い「TM9」という品種がおすすめです。
|
TM9は高麗芝よりは割高なので、予算的に余裕があってなおかつ楽に管理をしたいというのであればゼッタイにTM9が良いでしょう。
校庭・園庭の芝生管理のコツ
校庭・園庭の芝生の管理についてコツは、雑草を気にしない!ことですね。
家の芝生であればよりキレイで良い見た目にするためにも雑草はできるだけ取り除く方が良いです。ただ、校庭や園庭などある程度以上の広さがある芝生で雑草を気にし出すとキリがありません。雑草はどんなに除草剤をまいても必ず生えてきます。特に雨が降った直後なんていつの間に生えてきたの!?ってくらい雑草が急にはえてきます。雑草をゼロにするために除草剤を散布しまくるとヒトにとってもよくありませんし、除草剤の使い方を間違えると芝生が枯れることだってあり得ます。なので、ヘタに除草剤を使うくらいなら芝生と雑草を一緒に共生させていきましょう。
商業施設や公共の施設で特別芝生をきれいにしている所でなければ、芝生ってよくよく見ると雑草がめちゃくちゃ混じっています。しかもいろんな種類の雑草が。それを気にしても仕方ありませんし、多少の雑草なんて正直なところ誰も気にしていません。芝生に雑草が混じっていて気になるとすればそれぞれの草の丈が違うことです。たとえば、芝の葉丈が3㎝なのに10㎝の雑草がバンバン生えているとわりと気になりますし目立ってしまいます。ただ、背丈の低い雑草が芝生に交じっていてもだれも気にしません。そんな雑草であれば芝刈りの時に芝と一緒に刈ってしまえば何の問題もないですし、除草剤を散布しなくても芝刈り機で対処できます。
校庭・園庭を芝生にするのであれば虫も雑草も気にしないこと!それが芝生管理を長続きさせる最大のコツかもしれませんね。