芝生を元気にする方法。
それは、定期的な水やりであったり、肥料やりであったり、芝刈りであったり、エアレーションであったり・・・
いろいろ方法はありますが、「転圧」という方法もあるんです。
字ヅラからして、重たいもので圧力を加えるコト!って感じがヒシヒシと伝わります。どすこいって感じですね!
転圧とは、芝生を踏んだりして圧を与えて成長を促す作業のことを言います。たったそれだけの作業ですが、圧を与えただけで本当に芝生が元気になるのでしょうか・・・?
芝生への転圧効果
ここに転圧の効果を調べたこんな実験があります。
高麗芝を対象とした転圧の効果を調べる実験ですが、『小学校1年生くらいの子どもが方足のつま先で立った時の圧力を1か月に3回芝生に与えた場合と与えていない場合で、芝生の成長を比較した』たったこれだけの実験なんです。
小さな子どもがちょっと圧力を与えただけでしょ?そんなに効果あるの~~?なんて思うでしょう。しかし、なんと、『芝生に圧を与えた場合の方が2~3倍も芝の成長が良かった』という結果が出たんです。
また、標準的な体格の大人が片足でつま先立ちしたくらいの圧力を1か月に2回程度かけると、これも芝生の成長に対して良い影響を与えたそうです。たった2~3倍と思われるかもしれませんが、芝の丈なんてせいぜい5㎝程度のモノです。その数㎝の芝がいかに高い密度で生えているかで芝生のキレイさが決まってくるという世界です。そんな中、圧を与えただけで芝が3倍も成長するって・・・驚異的だと思いませんか?
しかも、大きな圧力を与え続けるというわけではありません。小さな子どもが1か月に3回だけ圧を与えるだけでも効果があるのです。芝生の転圧(鎮圧)ってそれくらい効果のあることなのでやらない手はないですね!では、圧を加えるのって一体どのようにするのがベストなのでしょうか?
芝生の転圧をする方法
転圧をするとき、最も効果的なのはやはり専用の道具を使うことです。
その名も「転圧ローラー」なるものが発売されているのはご存知でしょうか?
あ、最初に言っておきますが・・・
転圧ローラーはデカくて重たいです!
本体14kg!そして、なんと最大総重量120kg!!
「本体」とは転圧ローラーそのもののことです。この転圧ローラーの中に水を入れたり砂を入れたりして重量を出して使うのですが、水を満タンに入れたら総重量は72kgとなり、砂を入れたら総重量が120kgになる、ということです。かなり大きくて重たいのは間違いありませんので、芝刈り機を買うのと同じ感覚で買えるわけではありません。カンタンに言うと、広い芝生を持っている人や芝生を管理している業者さん、ワンランク上の芝生を目指すぜ!という人が買うようなアイテムです。
転圧ローラーで芝生を元気に!
転圧ローラーは芝生の凸凹をなおすときに使うイメージがあると思いますが、転圧ローラーのメリット・効果はそれだけではありません。
●芝の分けつを増加させる
●芝の根付きをよくする
●ほふく茎を増節させる
●芝の伸長をよくする
●節間は短くなり密度が高くなる
転圧ローラーにより芝生に適度な圧をかけてあげると、芝の芽の分けつを促して成長を促進させる効果があります。それにより横へ横へと芝が広がって密度の濃い緑のじゅうたんができあがる、という仕組みです。芝刈りも上の葉を刈ることで横への成長を促す効果があり、同じような効果が期待できるというわけです。また、芝生に圧をかけることで芝の浮き上がりを防止してしっかりと地面に定着させることができるで、ムダなく葉数を増やしていく効果もあります。
つまり、転圧ローラーは芝生を元気にキレイにする効果がある!ということです。
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もう少し軽くてコンパクトな転圧ローラーもありますが、あまり軽いと効果が弱くなるのでそれなりの重量は必要です。
芝生の凸凹をなおす効果
最大重量120kgにもなる転圧ローラーは芝生の凸凹をなおす時にも役立ちます。
芝生って平らに見えてもじつは結構凸凹していることが多いんです。芝を張りたての頃はきれいでも、3年たつと芝の成長にバラツキがでて、段々凸凹してきます。ご近所さんの平らに見える芝生もたいてい凸凹しています。凸凹している状態で芝刈りをしてもなかなかキレイになりませんので、エアレーションをして目砂をまき、転圧ローラーをかけて水をまくことで徐々に平らな芝生になっていきます。
ポイントはエアレーションをしてから転圧ローラーをかけるという点です。硬い土壌そのままで転圧ローラーをかけても効果は弱いので、エアレーションをして土壌を柔らかくしたり空気を入れてから使うことで転圧ローラーの効果が出やすくなります。凸になっている箇所に転圧ローラーをかけて凹にしたところでその部分が逆に硬くなるだけですので注意しましょう。転圧ローラーって本来であれば芝生を張る前の土壌を平らにするときに使うのがベストだと個人的には思っています。何事も最初が肝心ですので、これから芝生を張る、もしくは芝生を張り替えるときに使えるとなお良いですね!
転圧ローラーで平らにした状態で芝刈りをすることでよりきれいな芝生が出来上がります。一つ上のレベルの芝生を作りたいという人や、ゴルフ場のグリーンの練習を庭に作ってパットの練習をしたいというような人にはピッタリなアイテムでしょう。
転圧ローラーの使い方
転圧ローラー本体に水もしくは砂を満タンまで入れて後は転がすだけ。使い方自体はとってもカンタンですね。
ローラーの幅は49cmで割と小さくてコンパクトで小回りがきくので、幅の狭い芝生でも使えます。また、総重量120kgといっても転がり出すと重量感はそこまで感じことなく使えます。
注意点としては、転圧ローラーの中に砂を入れると中の砂は取り出すことはほぼ不可能ということです。一度砂を入れたら総重量120kgのまま一生を過ごすことになるので、転圧ローラーの保管場所をしっかり確保してから購入しましょう。また、砂ではなく水を入れた時は水を抜くことはできます。逆に水を入れたまま保管すると錆びてしまうので要注意。水を入れてローラーを使うときはこまめに水を変えることを忘れないようにしましょう。
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転圧ローラーはさすがに手が出ない、という人は・・・
転圧ローラーは欲しい、でも我が家には置く場所もないしさすがにそこまではできない・・・
という人は何かと芝生に出て芝生の上を歩きましょう!原始的ですがこれでも転圧の効果はあるのです。
芝生の手入れをする時に芝生の上を歩くと思いますし、子どもと一緒に芝生でサッカーをするでもいいでしょう。布団を干しに庭に出て芝生を横切るでも良いですしとにかく何でもいいんです。もちろん、同じ場所だけ踏んだり歩いたりするとそこだけが凹んだり土壌が固くなってしまったりして成長が悪くなるというというデメリットもあるので注意は必要ですが、適度な圧をかけてあげるだけでも効果はあります。芝生も生き物です。気にかけて手をかけてしてあげないとダメになります。あまり難しく考えすぎずなんやかんやと相手してあげていると元気になってくる。そんなものだと思います。